1975年作。武侠映画の古典であると共に、振り付けられた殺陣と編集で立ち回りを作っていく方法の原典でもある。
しかし、特にカットの組み立てがきっちりあらかじめ計算されていて明らかに通常のカンフー映画のめぐるましさとは一線を画している。
故金銓(キン·フー)監督の、京劇の立ち回りから始めて、あらかじめワンカットごとに絵コンテを描いて振り付けていく方法は、何度も飛び蹴りを重ねていくあたり、仮面ライダーを思わせたりする。
キン·フーが俳優学校から育ててきたという徐楓(シュー・フォン)がすこぶる美人で立ち回りも上手くて魅力的。毛皮の帽子みたいなのを被っているのは苗(ミャオ)族の出身ということらしい。
倭冦の頭領博多津をサモ·ハンが面妖な白塗りで演じているのが可笑しくて堪らない。日本語のセリフがいちいち変なのが、今となってはご愛嬌。
ジャッキー・チェンが出ているらしいのだが、よくわからなかった。
立ち回りで相手のこちらで姿をふっと消したと思うより早くあちら側に現れるといったカットは、吹き替えを使っているのではないか。
最近の「ラストナイト·イン·ソーホー」のダンスシーンで使われていたテクニックに近いのでは。