「2001年宇宙の旅」のクライマックスで使われたジョルジ·リゲティ作曲の音楽のタイトルをつけているわけだが、クライマックスの光と色の洪水は劇場で見たらヒキツケ起こす人出てくるのではないかと心配になるレベル。
一部、「バリー・リンドン」で使われていたヘンデルのサラバンドのティンパニを主体にしたアレンジが流れるけれど、あれはやはりキューブリックにひっかけているのか。
上映時間が約50分と長編劇映画で公開するのには足りないが、これ以上長くすると見てられなくなるかもしれない。
ドライヤーやゴダール、ファスベンダーといった先達監督の抜粋を出すのになぜか、カール・Th、ジャン=リッュク、ライナー・Wという具合にファミリーネームを省略化している、と思ったらエンドタイトルでキャスト、スタッフの名前がファーストネームだけでファミリーネームが出てこない。
どういうことなのでしょうね。
正直あまり真面目に解釈しようとする気にはなれない。この監督ギャスパー・ノエ得意の一種のハッタリとケレンじゃないのかというのが正直なところ。
映画撮影の現場を描いた一種のバックステージものなのだが、これくらい険悪な現場が描かれるのは初めてではないか。
ベアトリス・ダルとシャルロット・ゲンズブールの二人が当人役で出てきて、だらだらしたおしゃべりがマルチスクリーンで続く。そこから次第に加速度がかかっていってクライマックスに至る計算は立っている。
ダルが監督役なので現実にも監督経験あるのかと思って調べたが今のところない。わざともっともらしいフィクションを持ち込んでいる。
ゲンズブールが相変わらずスレンダーで、言い方悪いが火炙りになるのが絵になる。