prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「約束の宇宙(そら)」

2022年03月03日 | 映画
宇宙飛行士の話だと聞いていたので、開巻フランス語が聞こえてきたのに一瞬違和感があった。もちろん日本人宇宙飛行士だっているのだから不思議はないのだが。
訓練機にロシア語が書かれていたり、国際色豊かではあるのだが、ロシアの男の宇宙飛行士がいとも当たり前のようにオサワリするあたりなど、最先端科学の基地ではあっても意識全般が必ずしも「進んで」いるわけではないのがわかる。
考えてみると、世界初の女性宇宙飛行士といったらソ連のテレシコワだった。

さらに女性、しかもシングルマザーという点が大きくハードルというかガラスの天井になる。
小さな子供が会いに来るところでいちいち書類を出させるあたり、微妙にお役所体質を匂わせて可笑しい。

記者会見場で一見してインタビューの場のようにマイクを使って受け答えしていた母娘を切り返しで見せて、接近するとガラスで隔てられているのがわかるのが、クライマックスの打ち上げでもやはり隔てられているのにつながり、逆に二人の結びつきを印象づける。