結婚式を舞台にしたコメディとなるとロバート·アルトマンの「ウェディング」があったわけだけれど、あれがブラックで風刺的で皮肉な笑いで通したものだから、日本では惨憺たる不入り(初日の第一回の入場者が4人!)になったのを反面教師にしたわけでもないだろうが、基本的に何もかも上手くいくハッピーな線でまとめている。
とはいえ、群像劇というよりたくさんの登場人物たちをそれぞれバラバラに描いているものだからかなりとっちらかった印象。招待客それぞれが勝手な芸を披露して良かったねというのは逆に意外な感じもするが、本来滑りそうなところを全部ナレーションで救っている。というかあれで救っていることになるのか。
とあるロシア映画を見て映像業界を目指した元映画青年がテレビの仕事で疲弊しているところに結婚式の祝賀映像の依頼を受けてやたら張り切って作ったというのが、完全に旧ソ連のSF映画「惑星ソラリス」のパクリ。音楽まで一緒なのだから、どういうつもりなのかなあと思う。ギャグなのか? あれ見せられたら、招待客当惑しないか。
どうでもいいけれど、「ソラリス」というのはひどい夫婦喧嘩の末に妻が自殺しているという設定の話。
いったん結婚式がうまくいってから御祝儀泥棒の話が改めて始まるって、すごく長く感じた。