prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ガンパウダー・ミルクシェイク」

2022年03月26日 | 映画
最近よく見かける女性たちが男どもをばったばったと倒していくアクション映画、には違いないのだけれど、女を立てているようで見世物的なキャットファイト、女闘美に接近しがちな中で、かなりそこから離れるように気を遣っている。
端的にいって、みんなあまり綺麗に化粧していない。

母娘関係が二つ(ひとつは疑似的なもの)かぶるようになっていて、他の女たちとのシスターフッド関係と混ぜている。ともに男に入る余地はまったくない。
男どもがこれでもかとブチ殺されるわけだが、子供に対しては頑として暴力を見せたり汚い言葉を使わないようにしている。

ドンパチの中にゆったりした音楽を対位法的に使う技法も今では珍しくないが、笑気ガスを吸ってへらへら笑っている三バカとの戦いや、子供が運転するカーアクションなど趣向に工夫あり。
しめくくりの長いスローモーションの移動撮影などずいぶん手がかかったのではないか。

ミシェール⋅ヨーはさすがに立ち回りとなると本職感が出る。
アラン・パーカーとのコンビで知られるマイケル・セレシンの撮影がスタイリッシュ。