伊能忠敬の地図が完成したのが忠敬の死んだ後だってことは知らなかった。
実を言うと、伊能忠敬など大河向けではないかと思っていた。そう思ったのは自分だけではないだろう。
で、偉人伝にするには肝腎な柱が抜けてしまっているのを逆手にとって、地図を完成させた名もなき(本当はあるのだが)従者たちのドラマにした枠ドラマ。
現在のシーンと時代劇のシーンで同じ俳優が二役を演じるのが、かぶっているのとずれているのとが混ざっているのが面白い趣向。
地方公共団体の観光課が観光振興のために大河ドラマに地元の名士を 売り込むというのはいかにもありそうな話。
その今につながる権威主義をあまり批判しないで、なんとなくいい話でまとめている。
北川景子が現在のシーンのスーツ姿のキリッとした姿と、時代劇の場面の婀娜(あだ)っぽい着物姿と両面見せてとても綺麗。 ホクロがある手のアップが大事な役を果たすのだが、その腕が白くて細いのも綺麗。
松山ケンイチの軽薄な市役所員が可笑しい。彼がコミカルな面を見せるのは珍しいので、新鮮だった。