prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「シン・ウルトラマン」

2022年06月04日 | 映画
ウルトラマンの飛ぶ姿がオリジナルそのまんまだなあと思ったら、エンドタイトルに「飛び人形操演」という職能が出てきた。
CGではなくて人形を飛ばしたということか。あの真っ直ぐ身体を伸ばした姿が格好いいわけで(海外受けもしたらしい)、アナログなところはアナログの良さをむしろ積極的に出したと考えていいか。

紙の広辞苑(だったっけ)とか紙の本の図書室の登場とか、本当に機密を守るのは通信機器を使ってはムリで、直接受け渡ししないといけないといった、アナログ志向がところどころ顔を出す。

オリジナルのシリーズの変身のストックショット(赤をバックに真上から巨大化する、あれ)をクライマックスまでとっておくのが、ニクい。

バルタン星人は出てこないのね。
かなり怪獣・宇宙人のデザインをいじっているので、バルタンみたいに人気があって何度も再登場する度にデザインが悪くなっている轍を踏みたくなかったのか。
正直、元の成田亨の怪獣デザインの完成度の高さからして、いじる必要がどの程度あったのかという疑問は払拭できない。

オリジナルの初回と最終回のつながりと世界観を生かして、意外と(というのも何だが)まともにポジティブな方向を向いている。

室内シーンなど実相寺昭雄風の極端にナメた構図が目立つ。
巨大長澤まさみがネット上でバカに受けるというのは、ありそう。
現実寄りにしたのかどうなのか、政府周辺に完全に男ばかりで長澤まさみにほとんど女性の出番を集中させたのは問題なきにしもあらず。