prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「帰らない日曜日」

2022年06月11日 | 映画
予告編からは身分違いの恋の話かと思ったら、まるで違うわけではないが、どちらかというと、何も持たない者の強さ、というのをヒロインが自覚して一人の作家が誕生するまでの物語といった趣でした。
原題のMothering Sundayは自分を育んだ日曜日(の情事その他)とでもいった意味か。
予告編でも印象的な全裸でびっしり埋まった本棚の前を歩くシーンが官能と知性の往来といった位置づけになるのだろう。

「つぐない」みたいにヒロインが年取って大物作家になった姿がラストに出てくるのだが、それに扮しているのがエンドタイトルを見たらグレンダ・ジャクソン。
「恋する女たち」「ウィークエンド・ラブ」で二度にわたってアカデミー主演女優賞を受賞し、イギリスの文部大臣も務めた大物です。
ずいぶん久しぶりなもので誰だかわからなかった。
調べてみると映画出演は1990年のKing Of The Wind以来、日本公開作では「レインボウ」1989年以来だから30年以上間が空いている。