キツネにつままれたみたいな気分になった。
こういう気分には覚えがあって、タルコフスキーの「ストーカー」を見た時もこういう気分になったものだが、あの時とは歳が違うわけでそうなんべんも見る自信はない。
はっきりしているのはケイト・ブランシェット自身の社会的身分が最高峰の指揮者そのままなこと。
冒頭、エンドタイトルが先に出て、メインタイトルが最後に出るのは再生の象徴か知れないが、繰り返し挿入されるトンネルを走る自動車の端正な画面構成そのままに崩れそうで崩れないものだからあまりドラマチックにはならない。