1918年に始まるという時代色に対応して、塗ったようなテクニカラー調だったり、ワイプやアイリスアウトなどの今どきあまりやらないような場面転換のテクニックを使っていたりと、画面の作りは古式ゆかしい(と同時に最新技術を使っている)のだが、描写される内容そのものは作中の白黒サイレント映画に映されるアンダーヘア丸出しのエロ映像のように相当にどぎつい。そのコントラストが印象的。
パールの両親と友人との関係の描き方がおよそ救いがなくてジャンル映画としてのホラーとそれをはみ出た部分がある。
「X」では二役を演じたミア・ゴスが過去に遡ってより閉鎖的で自己完結的な役を演じていて、これ自体独立した一編として見られる。