どこの国の話だろう、白い建物の感じからしてギリシャかなと思ったらアルジェリアでした。
冒頭、ヘッドフォンをつけて踊るヒロインの姿が音楽抜きで効果音だけで写される。
後で出てくる喋れない人たちの声(音)の欠落を予告するとともに、ディテールに密着して全体像は必ずしもはっきりさせない描き方。
母親に車を買ってやりたくて相当に治安の悪い場所で行われている闘犬や闘鶏ならぬ闘ヤギの賭けに参加していたバレエダンサーのヒロインが、賭けに負けた男に因縁をつけられて階段から突き落とされる。
この闘ヤギが文字通り角付き合わせるかなり激しいもので、胴元がそれぞれのヤギにプーチンとかトランプとかオバマとかビンラディンとかいった仇名をつけて呼ぶのはおよそシャレにならない。
暴行を働いた男がテロの前歴もありしかも警察もグルで逮捕しても釈放してしまうというのだから呆れる。
署長が女というあたり、腐敗に性別は関係ないということか。
さらに活動家でもあるらしかったこれまた女の弁護士が立派な身なりとは裏腹に(比例してと言うべきか)臆病風に吹かれたりする。
ヒロインは足を折ってリハビリに苦労したりして苦闘の連続なのだが仲間が揃っていて、途中からダンスを教えてくれと頼みに来るの救い以上になる。