マドンナのナイショ話

あなたに話したいあれこれ

私の頭の中の消しゴム

2005年10月27日 | 映画
keshigomu1

私には今はまだやり残したことがたくさんある。
これからしなければならない課題もたくさんある。
守らなければならないものもたくさんある。
そんな今、私は自分の記憶は絶対に消せない。

とても切ないラブストーリーを観て来た。
「私の頭の中の消しゴム」である。

一人の男と女が出逢って、恋に落ちて、結ばれて・・・

コンビニでの1本のコーラが二人を結びつけた。
出会いから恋に落ちるまで時間はさほど必要でなかった。

結婚生活は楽しいものだった。
愛し愛されて、目が眩むほどの幸せの絶頂の時、妻が病に侵される。
病名は「若年性アルツハイマー」 
記憶が破壊されて、肉体的な死より精神的な死が先に訪れる
残酷的な病気だ。
彼女は27歳の若さだった。

前半の幸せなストーリーとは反対に後半は悲劇の幕開けである。
館内ではすすり泣きが聞こえる。
後半は胸が痛くなるような場面が続く。
10分前にしゃべった会話も覚えていない。
夫が誰だかわからない。

妻が言う。
「私の頭の中に消しゴムがあるって。幸せな時に別れましょう」

夫は言う。
「俺が全部覚えておくから。俺が君の記憶になる」

二人が一緒に過ごした家の壁には1000枚以上のメモが貼られていた。
「私の名前はキム・スジン、夫の名前はチェ・チョルス」
「私の夫は大工」
「チョルスがいなくて寂しかったら電話すること」
「今履いている靴が左右同じか確認して」
「誰ですか?と先ず聞くこと。そしてドアを開ける」

これは夫が妻のために書いたメモ。
1秒でも長く、妻が想い出を失わないように。
夫は妻にいかに尽くしていたかが伝わって来て、観客の心を動かす。 

記憶が消えそうな中で妻が夫に懸命に手紙を書く。
それを読む夫。
この場面は涙無しでは絶対に観られないクライマックス。

たとえ記憶が消えても私の中のあなたは消えないわ。
一度も「愛している」と言ってくれなかったけれど
私を愛していることはわかっている。

ごめんなさい、ごめんなさい。
傷つけたくないのに、泣かせたくないのに、悲しむ姿は見たくないのに
幸せにしてあげたいのに、私があなたを苦しめているのね。

ラストシーンの夫のこのセリフ。

記憶を失う前に伝えたい言葉があります。
伝えなければ僕の人生は無意味です。
「愛してる」

心に残る映画だった。

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