曇り,25度、91%
ムーランアレギュームなんて,長ったらしい名前がついていますが,単に裏ごしの道具です。まだ日本にいた頃ですから,30年近く前、このムーランを探していました。今のように,インターネットなんてありません。東京合羽橋に行くと,ムーランあるにはありますが,業務用で大きいこと大きいこと。
香港に引っ越してくるとき,我が家は,大半の台所道具を持ち込みました。電化製品ですら,アイロンやミシンを持って来たほどです。もちろん,こんなに長く香港にいるとは,あの時はユメユメ思っていませんでした。香港にくれば、中華の台所道具は揃えようと意気込む私でした。香港のローカルのデパートにウィンオンという老舗があります。このウィンオンの台所用品売り場は,30年ほど前から今に至まで、なかなかの品揃えです。日本製はもちろん世界各国の台所用品があります。当時はまだ,日系の大丸デパートがありましたから,日本人の人はこのウィンオンの品揃えをご存知ありませんでした。何分にも,大丸などに比べると見劣りのする店構えです。
そのウィンオンで見つけたのが,イタリア製のムーラン。フランス製でなくてもかまいません。即座に買ったところを見ると,そんなに高い物ではなかったはずです。 ムーランは柄が付いた裏ごしの道具です。好きな大きさの目のふるいをセットして,柄をぐるぐると回すと,
その名のように野菜の裏ごしが出来上がります。私はバーミックスもフードプロセッサーも持っていますが,バーミックスとの相性は悪く,壁や床にまでまき散らします。フードプロセッサーは,あの鋭い刃の後始末が億劫です。人間の手回しですから,あっという間には出来ません。それでも,好みの裏ごしが日本の裏ごしなんかよりずっと手軽に作れます。カボチャの蒸した物を裏ごししています。皮も一緒に裏ごししても,下に落ちずに固まってとることが出来ます。後始末もいたって簡単。
小豆の晒あんを作る時も使います。きんとんをしぼる時にも使います。カボチャは中くらいの目で漉すと,少しざらっと口に当たります。ミルクで溶いて軽く塩こしょう、 さっぱりしたカボチャのスープです。
このムーラン,今ではネットショップでも買うことができます。フランスのマトファーの物はデザインも素敵です。台所仕事を楽に楽しくする,私の永年の相棒です。