かすみ草
曇り,24度、97%
白のバラがいいかな?いや,白のあじさいがいいかな?何となく迷いながらも,帰り道には、あじさいかバラの大きな束を抱えているだろうと、秋空のした花市に向かいました。
いつもよりちょっと早い時間です。道にはトラックが止まって,花の入った箱が次々に下ろされて行きます。普通は,どこのお店と決まっている私ですが,花市ばかりは、その日の花の顔を見てお店を選びます。荷下ろされたばかり花でも,黄みがかったピンク、白みがかったピンクと微妙に違います。まずは,花市を隈無く一巡。
香港の花市は,昔からの老舗が3、4軒あります。そのひとつは,アレンジから庭木までを扱う店,もう一つは,最近,日本やオランダからの最先端の花やテラリウムを入れている店があります。不思議なもので勢いのある店は、花まで元気にみえてきます。
トラックから下ろされた花は,箱にはいっていますからここで荷を解かれます。ぐるっとひと回りした私の目の前で,ポンと取り出された大きな花束,かすみ草です。小さい花が,細い茎にみっしりと付いた何気ない花です。 香りもありません。
まだこんなにフラワーアレンジなんて流行る前、日本でバラなどを数本買うと花屋さんが必ずと言っていいほど1、2本のかすみ草を花の間に忍ばせてくれていました。いつも,タダで頂けるかすみ草,そんなに気にも留めませんでした。ところがここ香港、花を買っても付いてくるのは黄色いキク科のボワッとした花です。そのうえ,かすみ草なんてどこの花屋にもありません。今まで,たった一度だけ黄ばんだかすみ草を見たことがありました。
真っ白なかすみ草が,6本。白いバラも,白いあじさいもどこかに吹っ飛んで,買い求めたのはかすみ草です。ついでに横に荷に下ろされた白のトルコキキョウも買いました。びっくりしたのは、かすみ草の方がお値段が高いことです。すっかり満足していたので,どこの産地か聞忘れましたが,きっと中國の昆明からだと思います。
白のトルコキキョウと白のかすみ草を合わせるつもりはありません。かすみ草をギュッとかためて生けてみたかったのです。
家に戻り早速,硝子の花瓶に、 この花瓶に一束生けるつもりでしたのに、これだけ入れてもまだまだ,花があります。細い茎が横に張り,たった6本なのに3つの花器に入れることになりました。
白い花だけを扱っている花屋さんが,東京にありました。今もあるかしら?青山通りの裏手、フロムファーストビルの1階にありました。お店の方の潔さにも感じ入ったのですが,白の花だけでどうしてあんなに華やかなのかと思う位に,素敵な花屋でした。
今、我が家は,4カ所に白い花が咲いてます。 かすみ草、遠くから見れば霞んでいますが,ひとつひとつが可愛い形です。