曇、15度、73%
毎年、2月の最後の日にちょっと丁寧な掃除をして出して来るお雛様、そして4日になると直ぐになおします。お雛飾りといっても、親王飾りだけ。私の3代目のお雛飾りです。何段かの飾り雛、3人官女やお道具のあるその段飾りの親王飾りが記憶にありません。2代目の親王飾りは、今のこれとそっくりな立ち雛でした。以前書いたことがありますが、お雛様の頬のちりを払った私の指跡に怒った父が投げて首が取れました。そして、そのすぐ後にやって来たのがこのお雛様です。
実家の整理の中、私が探し求めていたのはこのお雛様です。もう半ば諦めかけていた頃、茶箱の中にひっくり返って入っていたのがお雛様達でした。裸のまま、長い月日誰の目にも触れられず、お雛様達は茶箱に入れられていました。お道具の塗りは剥げ落ちていました。2代目の首の取れたお雛様もありました。ガラスのケースごと逆さまになっていたこの親王飾り、お雛様の髪はボサボサでした。思い切りこの親王飾りの立ち雛以外は捨てました。立ち雛を厚めの和紙の包んで、トランクに入れて香港に持ち帰ったのは3年前のことです。
最近のお雛様小さくなっています。昭和30年代のこの雛飾り、高さが30センチ弱と大きめです。お顔の作りも当時の物です。一昨年、孫娘のお雛飾りをと思って見ている時に、売り場の方にお雛様の顔の流行があることを教えて頂きました。お顔にも流行があるのです。
これらを部屋に設えると、静かな空気が流れます。小さい時も、雛飾りを出して来て飾り終えると、華やかさはあるものの空気が静まるように思いました。
いつもよりも早く飾り付けたのは、もちろん可愛いお客様のためです。小さなお客様、もうすぐやって来ます。我が家の刺繍より遥かに手の込んだお雛様の額を初節句に孫に贈りました。可愛いお客様が私のこの3つのお雛様と会うのは初めてです。
お雛様を見ると、自分の過去を親の思いを振り返ります。そして、これから先の私を思います。