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昨日が旧正月の元旦、今日が初二、明日が初三。お正月の三が日を祝うのは中華圏も同じです。暦では、この3日間がお休みです。
同じといえば、お年玉があるのも同じ。日本なら家族内、近くの親族の子供に上げるお年玉ですが、ご祝儀というか、心付けというべきなのか、マンションの管理の人や掃除をしてくれる人にまでお年玉、「利是」を上げます。「利是」と書いて、レイシーと読みます。中にいれる金額は相手によって様々です。通称赤袋ともいいます。
昨日、初一にも関わらず、モモさんの朝散歩に「利是」を持たずに家を出ました。マンションの入り口には夜勤の管理の人たちが数名立っています。「恭喜發財」と言って両手を握る仕草をします。お正月の挨拶です。お金が入って来るようにという意味です。ここで、「利是」を渡さなくてはなりません。おっと、忘れています。この私、「あとでね。」と言って散歩に出ました。
ちょっと顔見知りの子供がいてもこの「利是」を渡します。頂けそうだなと思うと、子供も大人もニコニコと「恭喜發財」や「身体健康」、「年々有余」、「万事如意」などと言って寄ってみえます。沢山の旧正月の挨拶の四字熟語があります。この赤袋を持たずしては一歩も外に出られません。
日本は通常に動いている昨日、主人は香港の事務所に仕事に出かけました。出かける前にもちろん「利是」の袋を持って出ます。私にも人に渡すようにといって、置いて出かけます。主人が出かけた後のデスクの上、 大きな赤い袋の束は持って出かけた後です。主人は、金額によって袋を変えています。最近は封筒状の縦長の赤袋も出て来ましたが、スタンダードな大きさ形は、下の真ん中の小さな赤袋です。この赤袋の山、実は香港ドルと中国の人民元とに分かれています。主人は香港の事務所の人たち深圳の事務所や工場の人たちに渡さなくてはなりません。袋ごとに入れる額が違うとはいえ、入ってる貨幣の種類も違います。ちゃんと区別がつくのか不思議です。
中にいれる紙幣は全て新札です。旧正月前には銀行で新札に替えてもらうために並びます。そして赤袋に入れます。ここ10年ほどは、主人の会社の人がやってくれますが、以前は、新札に替えるのも袋詰めも主人と私の仕事でした。旧暦の大晦日は、袋詰めで追われました。
赤袋、大きな家では自分の家の氏名を入れた物を作ってもらいます。取引先の銀行から配られることもあります。最近では色も赤ばかりか金色も出て来ました。日本のお年玉袋に比べれば、買ってもお安い赤袋です。
一月の終わりごろ、香港のセレクトショップ「JOYCE」から手紙が届きました。中を開けると、 その中に入っていたのが、見出し写真の「利是」の袋です。お店の名前を喜びの言葉「JOY」にかけたのだと思います。いい紙でしかもこんなに洒落た赤袋を見たのは初めてです。これは使わずに大事に取って置きます。
「利是」を渡すのは、元旦から2週間とも3週間ともいわれます。家から出るときは、バックに赤袋を忘れないように持ち歩きます。厄介な習慣です。さあ、赤袋を持ってモモさんと朝散歩に出かけます。