曇り、6度、62%
スタンプやハンコが好きで自分でも消しゴムを彫って作ります。ハンコも、絵柄を入れた名前入りのも作ってもらいました。いつも使うわけではありませんが、お手紙の最後にポン。好きな本の奥付にポン。自分で作るハンコに字を入れるのは鏡字にしなくてはいけないので難しい、どちらかというと彫りやすいアルファベットを使います。花輪の柄入りの作ってもらったハンコは篆書体の難しい「真奈」を入れてもらいました。
本帰国でモモさん、息子一家と福岡の家に着いたのは日本に戻った翌日の夕方でした。まだ最後の大きな荷物が着く前の家はガランとしていました。香港から戻ってきたので寒さがひとしおです。夕方の暗さも心なしか寂しく感じます。そんな時、宅配便の人がやってきました。気苦労の多かった長旅を癒すようにと友人が送ってくれたお菓子や食べ物でした。次の日も朝から宅配便が届きます。モモさんの防寒着、モモさんの湯たんぽ、珍しいお鮨、苗木、珍しい本、毎日毎日、友人たちからの心のこもった品々を受け取りました。そんな中、箱の片隅からポロリと落ちた小さな紙袋、なんだろうと開けてみると、大きめなハンコです。 ハンコを握りしめて、スタンプパッドのある二階に駆け上りました。
捺してみると、私の名前とこの家の住所が紅白の椿の絵と共に紙に写りました。住所入りのスタンプは初めてです。心憎いこの贈り物、2週間近くも使わずに仕舞ってありました。
家の片付けもひと段落つきました。義父の三回忌も済ませました。心にも余裕が出てきた昨日の昼下がり、お世話になった方達にお礼のハガキを書きました。もちろん差出人のところには、頂戴したスタンプをポン。
この半年、短頭種の高齢なモモさんを飛行機に乗せて日本に帰ることでとてもナーバスになっていた私をたくさんの方が支えてくださいました。飛行機、新幹線の長旅を終えて迎えてくれたのは、またしてもそういう友人たちの嬉しい心遣いでした。成田で一番びっくりしたのは、そういう友人の一人が出迎えに来ていてくれたことです。私ははじめ、息子しか見えませんでした。その後ろから懐かしいお顔が、「真奈さん」と声かけてくださいます。何年ぶりかしら。
友人たちの暖かさに感謝の言葉しかありません。そんな気持ちを込めて、ハガキを書きました。そして最後に、素敵なスタンプをポン。私の一生物のスタンプです。みなさんありがとうございました。