晴、25度、80%
「発酵食品」という言葉をよく目にします。毎朝毎朝パンを焼いていて、酵母を発酵させています。発酵は生きた「菌」が生み出す作用です。新聞でパンが「発酵食品」と書かれていて驚きました。毎日発酵を見ているパンが「発酵食品」だとは気付きませんでした。パンは最後に「菌」を焼いてしまうからです。
先日は「発酵食品」の中に「鰹節」を見つけました。この時も「えっ?」と思いました。確かに「鰹節菌」をつけて数ヶ月寝かせて作る「鰹節」は「発酵食品」です。私のイメージでは「発酵食品」は生ものという感覚があります。「納豆」「ヨーグルト」「お漬物」、冷蔵庫で保存するものが「発酵食品」だと思い込んでいます。
「鰹節」が発酵食品だと知って以来、「発酵食品」として「鰹節」を眺めるのですが、いまだにピンと来ません。「発酵食品」は発酵によって生まれる独特な香りがあります。特に匂いが強いのが「納豆」です。ところが「鰹節」は削っていても発酵臭はしません。節にはうす白くカビがついているのに優しい「鰹節の香り」です。口に入れても乾物ですからパサパサ、やはり「発酵食品」とは思い難い。
日本人は「発酵商品」を数多く日常で食べ続けて来たのだと感慨深くなりました。そう思い始めると「鰹節」が急に愛おしくなりました。お出汁を取るためとかちょっとトピング、なんていうよりもっとメインでガッツリ使ってやりたい気分です。そう思うと削る時の手元も力が入ります。この歳になっても知らないことばかりです。