曇、4度、64%
日本に帰国して驚いたことの一つが日本製の紅茶が沢山作られていることでした。「和紅茶」と呼ばれています。紅茶は輸入物とばかり思っていました。考えれば、紅茶も日本茶も中国茶も元を辿れば同じお茶の木の葉から作られます。ただ製法が異なるだけですから「和紅茶」があっても不思議ではありません。たくさんの紅茶を引っ越しの荷物に入れて帰って来ました。紅茶好きです。自分では買わずにいた「和紅茶」をよくいただきます。
先日いただいたのは、奈良のお茶屋さんの「丹色」という名前の紅茶でした。日本の「色名」を紅茶のネーミングに使っています。古都奈良らしい風情ある名前です。お茶の葉は「国産」としか書かれていません。奈良で採れるお茶の葉にこだわらず、紅茶向きの葉をブレンドして作っているのだと思います。
「丹色」はどんな色だかご存知ですか?薄い茜色、朱にうっすら桜色を混ぜたような色です。帯締めが好きなので和名の色の名前を紐解くことが多く、和名の色名は言葉の響きまで美しいと感じます。
ティーバックを引き上げてカップを見た時、「あっ、この色!」そうです、紅茶の色が「丹色」です。澄んだ「丹色」です。紅茶は味も楽しみますが、その茶の色、香りも大事です。一緒にいただいたおやつはあっさりしたクッキー、「丹色」にはミルクもお砂糖も使いませんでした。クッキーの優しい甘さだけで美味しく紅茶がいただけます。
「丹色」は渋みも少なく飲みやすい紅茶です。強いて言えば香りが薄いと感じます。「和紅茶」によく見られる濃い茶の色と渋みを取り除いているのは嬉しい限りです。紅茶も人それぞれ好みがあります。スタンダードなセイロン紅茶は茶の色はオレンジ色、渋みは少なく、ミルクを足しても砂糖を入れても美味しくいただけます。
「丹色」はストレートに限ると思います。「丹色」と名付けた方はきっとお茶の色を見て決められたのでしょう。ネーミングも紅茶には大事です。日本の色の名を持つ「和紅茶」、日本人の工夫で生まれた紅茶です。紅茶は体を温めてくれる効果があるそうです。「和紅茶」に興味が出て来ました。茶の葉の産地も知りたいと思います。地元「八女の紅茶」を買ってみようと思っています。「和紅茶」で私の紅茶の世界がまた広がりました。