チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

義父の七回忌

2021年02月21日 | 日々のこと

晴、15度、80%

 二月は両方の父の命日があります。私の父は既に五十回を数えました。義父が逝って六年、七回忌が昨日でした。

 福岡西にある小高い墓地に向かいました。霞んでいますが、快晴です。暖かな風が吹いています。春一番です。お彼岸、お盆、命日、年末といつも私一人で墓参します。この墓地はそれぞれの墓の管理は持ち主に任されていますので、年末の花がすっかり枯れて花立てに入ったままです。春らしい「スプレー菊」に入れ替えました。

 今年は寒かった割には山が冠雪していません。緑が芽吹く前のような山です。墓地には墓の撤去の工事の人と私だけです。ここからの眺めは福岡の西半分からぐるっと回った博多湾の東までが見通せます。中心部は右山斜面で隠れています。見る限り建物、田畑は全く見えません。この街も大きくなったものです。義父はいい場所に眠っています。手を合わせて主人が来れないことを詫びました。

 墓から海に近い主人の実家に向かいました。人が住まなくなって既に1年以上、家の空気がどんよりと重さを増してきました。月に何度か郵便物を取りに行くのは私です。他の家族が訪れた様子はありません。仏壇の掃除をしてお線香をあげて、出てきました。義父も父も私一人で供養です。

 「命日」とは本当に綺麗な言葉です。命を閉じた日です。私は自分の命日を息子が覚えていてくれないくらいがいいと思います。普通の人間は死んだら忘れ去られて十分、「命日」だからと墓参されるより何かの拍子にふと思い出してもらう方が嬉しいと思います。私が好きだった花を見た時、空を見上げた時そんな瞬間に私を思い出してくれたらどんなに嬉しいでしょう。義父や父には私一人を詫びますが、自分に振り返れば「命日」は私の終わりでいいと思います。

 空の明るさもあって、気持ちが晴れやかな日でした。主人の実家から我が家へは一番海側、博多湾が見える道を選びました。窓を全開にして春浅い海の匂いです。逝ってしまった人を偲ぶのは、こうした海の青さや空の色を見ながら心の中でと思います。

コメント
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