チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「WHERE THE CRAWDADS SING」 ザリガニの鳴くところ ディーリオーエンズ

2021年02月22日 | 

晴、15度、78%

 一昨年でしたか「ニューヨークタイムズ」のブックランキングで一年近く上位を占めていた本がありました。気になっていたのですが頼んでいた本が次々に届きました。やっと昨年末手に入れました。ディーリアオーエンズ、女性作家が書いた「WHERE THE CRAWDADS SING」です。 ニューヨークタイムズのブックレビューでも幾度か取り上げられていました。この本が届く前、早川書店の翻訳書が本屋に積まれているのを見ました。日本でも売れている本だそうです。

 アメリカノースカロライナ州の湿地で青年の死体が発見されたことから話は始まります。子供の頃家族に置き去りにされ一人で湿地で生きてきた女性「カイア」が犯人ではと話は進みます。死体発見に始まる話、ミステリー小説かのようですが読み進めて行くとその自然描写の美しさや小さい女の子「カイア」が自然の中で生きて行く様は決してミステリー小説とは言い切れないものがあります。「カイア」の6才ごろから64才で亡くなるまでの話です。亡くなった後わかるいくつかの「カイア」の秘密、たった数ページですが本の最後に醍醐味を感じました。

 ある書評では男性必読などと書かれていましたが、この本は女性こそわかる本ではないかと思います。最後の数ページに行き着かなくとも女性なら話に伏せられたいくつかの暗号のようなものでそれを察知します。話のうねりが「ああ、収まるところに収まった。」と納得するわけです。

 アメリカでもミステリーかロマンスかと取り沙汰されていました。読む人の受け取り方でしょう。日本では「ネタバレ」などと書かれた書評がありました。「ネタバレ」好きな表現ではありません。自然の中で一人生きて来た女性の心の内を覗く話です。私にとっては自然の匂いとともに人一人の人生を重く味わった本でした。

 映画化が決まっているそうです。映画になると時にはイメージが違いすぎてがっかりすることがあります。「カイア」を演じる若い女優がどこまで見せてくれるか、映画にも期待しています。

 

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