曇、7度、78%
香港にいた頃は日本からのお土産で「緑茶」をよくいただきました。「帰国したらお茶を買うことになるわね。」と思っていたところ、ここは日本です、「緑茶」を事ある毎にいただきます。帰国して4年、まだ日本茶を自分で求めたことがありません。
先日、地元八女茶の「玉露」をいただきました。 包み紙を解くと「玉露」の字が見えます。その途端、口の中でまるやかな甘い緑の玉が転がるような感覚を覚えます。「玉露だわ!」と急いで封を切りました。
「お煎茶」「玄米茶」「ほうじ茶」どれもそれぞれに好きです。食事の後の「ほうじ茶」のホッと感、外から帰って「お煎茶」を一杯、今日のお饅頭には「玄米茶」と言った具合です。一日、紅茶、日本茶、コーヒーをその時の気分でいれます。最近気付いたのですが、本当にお茶の美味しさが分かるようになったのはこの数年です。「紅茶」だって、色、香り、渋みからどこの産の茶っ葉か分かるようになりました。「中国茶」の微妙な甘みも舌が感じます。葉の大きさ、捻り具合、茶の色で少しづつ茶の種類が言い当てられるようになりました。「日本茶」も帰国後、全国のお茶をいただくのでその特徴が分かるようになりました。香りや茶っ葉の色は産地で違います。それがお湯をかぶると、はっきりと産地の持つ特徴を出して来ます。
八女の玉露は緑濃く、葉自体からの香りも最高です。とろりと急須から滴る緑の雫を最後の一滴まで楽しみます。「抹茶」、「玉露」は緑の色が心と体にストレートに落ちていきます。「紅茶」「中国茶」では味わえない色彩です。
歳を重ねて、やっと「お茶の味」が分かるようになった事、一服のお茶を楽しむことがどれだけ心と体に潤いをもたらしてくれるか、しみじみと湯呑みを手に思いました。
若い頃、喉の渇きを癒すためゴクゴクと飲んだお茶の美味しさもまた格別でした。日本人は「日本茶」「紅茶」「中国茶」どれもを楽しむことができる繊細な民族です。今日もまた、ちゃんと座って湯呑みを持つ「お茶」との時間を大切にしたいと思います。