雨、9度、80%
今年は一日早い節分です。古い暦の上では明日から新しい年が始まります。大寒の内は寒さが一番厳しい時期です。51年前の寒い朝、父は逝きました。ちょうど夜が明ける前のこの時間でした。父47歳、私は12歳でした。今、私が座っているこの部屋で息を引き取りました。帰国以来、2月2日の早朝にはあの日の記憶が蘇ります。父のいえ人間の死に際をしっかりと看取れたことは、私の中で大事な記憶です。
節分のお豆は頂き物です。 「鬼祓い」と言いますが鬼にだって言い分がありそうに思うのはこの歳だからでしょうか。今晩の「豆まき」に備えて、小さな赤鬼さんに練習してもらいました。うまく赤鬼のお面が頭に乗りません。それよりも、 煎り大豆に気が行っています。「まだ食べちゃダメよ。」
帰国してみると、節分には「恵方巻き」を食べなくてはいけないと言わんばかりに宣伝されています。一体、いつ頃から、どこの方が「恵方巻き」を言い出されたのやら?地方色がなくなった日本です。全国的な「恵方巻き」です。「豆まき」、「イワシ」の厄払いは小さい頃からありました。今日はどこのスーパーもデパ地下も「恵方巻き」が山積みで予約のお客さんが並ぶことになると思います。私には奇妙な風景です。
昨日来の雨が夜半過ぎには強くなりました。日が昇ると晴れて来ると言います。雨が上がったら、菩提寺に出向きます。父方の親戚も伯母が一昨年亡くなり、皆年齢的にも私より上で人が集まるということがありません。今年も私一人で法要を済ませます。雨上がりのお寺の墓地は静かな空気が流れているでしょう。