晴、8度、74%
春先から蚊が出る頃までのふた月ほど、お天気の良い日には庭で本を読みます。家の中の椅子を持ち出して日当たりを見ながら場所を決めます。土に足を置いての読書は家の中のそれとは全く違う感じがします。見上げると木々の梢に空です。この開放感が大好きです。
ぐるりの庭があるのに、庭用の椅子やテーブルを持ちません。家の中には椅子だらけです。重い椅子を持ち出す私の様子を察して、「キャンプ用の椅子を買いなさい。」と主人がブランドまで指示して来ました。
日本を離れる前には一通りのキャンプ用具を持っていました。香港に向かう荷物の中にはテントも寝袋も入れました。今では野外の調理器具しか残っていません。帰国してホームセンターに行くと、昔とは比べ物にならないほどの軽量化、組み立ての簡素化されたキャンピング用品が並んでいます。キャンプに使用するばかりか、災害時のために買い揃える人がいると聞きました。
肌寒い中、庭で本を読んでいると、頼んでいたキャンプチェアーが届きました。配達のおじさんから受け取る時、「これ何だろう?」と思うほど小さな軽いパッケージです。 腰に下げて歩けるほどのパックが出て来ました。
中には、 椅子のシートと骨組みです。骨組みは組み立てるのかと思えば、自然に形作られるように設計されています。ちょっと力を入れてシートを張れば出来上がり。軽いのなんのって。腰が深く入り、思ったより低い椅子です。ずっと地面に近くなりました。
主人に写真を送ると、「ココを座らせて。」と言って来ました。
ココはモモとは違い高いところが苦手です。決して飛び乗ろうとはしません。そこで私が「よいしょ。」怖くて固まっています。それに椅子自体が軽いのでココの動きで安定しません。すぐに下ろしました。
今から5月の初め頃まで、日の当たる日はこの椅子が庭に登場します。地面に座るのも大好きですが、すぐにお尻が冷たく、痛くなります。海辺や郊外に出る時、荷物にならず持って行けます。もちろん主人の分も合わせて求めました。