チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

食パン バゲット クロワッサン

2021年02月10日 | パン

晴、3度、88%

 家でパンを焼き始めて40年近くなります。毎日焼くわけではありませんでした。子供も小さく菓子パンやらおかずパンやらいろいろ焼きました。家焼きパンで最難関は「バゲット」「クロワッサン」「食パン」です。角が入った「食パン」を焼けるまでに1年以上かかりました。出来損ない、失敗作をたくさん作りました。当時飼っていた「テツ」という犬と私でせっせと後始末しました。

 香港に渡って台所のスペースから「ガスオーブン」を置くことができませんでした。温度上がりが低い「電気オーブン」ではフランスパンを焼くことは難しい。年中気温の高い香港ではバターを折り込む「クロワッサン」の生地作りはこれまた難しい。香港生活30年で「バゲット」と「クロワッサン」はさしたる進歩もありませんでした。帰国が決まり何としても欲しかったのはビルトインの「ガスオーブン」でした。

 夫婦二人の生活で50歳を過ぎた頃、「食パン」「バゲット」「クロワッサン」がきちんと焼ければいいと思うようになりました。帰国して丸3年、ほぼ毎朝小さな「バゲット」を焼いています。気温の差が大きい日本です。酵母の様子を見ながら粉、水の量を加減しながら焼きます。一番シンプルなパンは「バゲット」です。「粉」「水」「塩」「酵母」この4つだけ。「粉」の旨みがはっきりと出ます。クープが開きパリッとした「クラスト」、気泡の入った「クラム」。思うような「バゲット」に近付きつつあります。焼きたての「バゲット」ほど美味しいパンはありません。副素材が少ない分、劣化が早いフランスパンです。

 室温が10度前後の日が続きました。いよいよ、「クロワッサン」作りです。バターは微妙に温度を察知します。台所の冷房をつけていても、夏場は生地がすぐにダレてしまいます。気持ちの負担を少なくするにはこの季節が一番「クロワッサン」作りに適しています。

 40年前は今のように粉の品数は多くはありませんでした。国産の小麦粉はパン作りには適していないと言われていた時代です。今は世界中からの粉を選り取りみどりに選べます。昨日焼いた「クロワッサン」は北海道産の小麦粉、フランスの「エシレ」バターを使いました。幾層にも重なる薄い生地を焼き上げると、 バターの香りが家中に満ちてきます。幸せな時間です。 「クロワッサン」は焼きたてのパリっとした時も美味しいのですが、時間が経ち味が落ち着き、バターが馴染んでくる頃もまた違った美味しさを楽しめます。あれだけバターを使ったのに、軽く軽く焼き上がった「クロワッサン」は幾つでもお腹に収まります。

 味が落ち着いた頃、レモンマーマレードを添えておやつにしました。 

 どなたにも習わず、一人でパン作りを続けてきました。やっと思う域に手が届きそうです。今朝はまた小さな「バゲット」を焼きます。残り少ないこの冬、あと何度「クロワッサン」を焼きましょうか。

コメント
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