雨、5度、80%
普段のワインを2本買いました。袋に入れて、助手席の足元に置きました。角を曲がった時に、瓶と瓶が触れ合う音がしました。「キーン」という高めの音です。ちょっと違和感のある音に袋を見ました。その後すぐに車の中にワインの匂いが広がりました。瓶が割れるか欠けたのでしょう。お正月で道路は空いていて信号待ちもありません。手にとって状態を確かめることができないまま、見てると、黄色の袋が赤く染まり始めました。重症だわ。
家に着くなり、袋を覗きます。1本の首から下に数ミリのヒビが入っています。立てておいた2本の瓶が一度ガチンとしただけでヒビが入ったようです。足元のマットにまでワインが浸み込んでいます。ワインが垂れる袋をタオルで押さえて台所へ運び込みました。ヒビの下までワインが流出、4分の3ほど残っています。ヒビに気をつけて栓を抜きました。ひとまず入れ替えました。
「デキャンタ」を出してきたのは2年ぶりです。澱があるワインを飲む時に主人がそっと「デキャンタ」に移します。私一人の時はそんないいワインではありませんから、瓶からそのままグラスに注ぎます。「ドクドク」といういい響きと共に残ったワインが「デキャンタ」へ。「デキャンタ」を通して色の具合が綺麗です。料理用にとも思いましたが。その晩、このワインを飲みました。ガラスの栓の開け閉めの感触がなんとも言えません。
遠く海外から運ばれてきたワインが我が家に到着する前にこんな目になりました。瓶の強度が弱かったのかもしれません。「デキャンタ」をたまには使いなさいよ、と言うお告げかもしれません。
お正月早々、車はワインの香りでいっぱいです。パトカーに呼び止められたら、飲酒を疑われそうだと運転しながら笑いました。