チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「寝煙草の危険」マリアーナ・エンリケス

2023年07月20日 | 

雨、26度、90%

 新聞の本の広告、「カズオイシグロ」の名前が目に留まりました。彼が絶賛している本だと書かれています。「寝煙草の危険」面白い題名です。和訳が既に出ていますが、英語の本を送ってもらうことにしました。和訳の値段の半額です。イギリスから送られて来ました。

 本を開いて初めて知りました。原作はスペイン語で書かれています。作者「マリアーナ・エンリケス」はアルゼンチンの作家です。つまり私は英訳された「寝煙草の危険」を読み始めました。12の短編からなる本です。

 一気に読み上げました。奇妙な話ばかりです。ホラーやオカルトに近い話が12も続きます。死体を食べる話、吐瀉物の話、ムカムカとしそうな話が続くのに、どこかで自分の中にある何かに触れてくる話です。本の題名の「寝煙草の危険」は老婆が寝煙草で火事を出します。その焼死体の匂いで階上の住民が目覚めるというストーリーです。実際にありそうな話からほんの少し脇に逸れると有り得ると思わせる物語の組み立てが面白い本でした。私は死んだ赤ん坊が幽霊となってフワフワと付きまとう最初の話が好きです。

 原語のスペイン語で読むことができるとまた違った感覚を受けるかもしれません。和訳はどんな風なのだろうとも想像します。アルゼンチンの話は初めて、もちろんアルゼンチンの女性作家の本も初めてです。南アメリカの国、今まで遠いと感じていた国を急に身近に思います。日本とは違った重さ、暗さ、奥深さが読後に残ります。

コメント
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