チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

キッコーマン醤油 香港

2013年11月10日 | 香港

雨、24度、96%

 日本にいれば、醤油ひとつで困ることもありません。スーパーに行けばよりどりみどり、地元のものから何やら銘打ったお高いもの全国ブランドまで揃います。30年近く前の香港、日系のデパート、スーパーに売られていた醤油はキッコーマンの普通のタイプのみでした。いえ、日本でも丸大豆醤油が出る前の話です。香港に来たばかりで、日本と値段を比較するとかなり高価です。日本ではキッコーマンの醤油を使っていませんでした。さて、選択肢はないものか?もちろん中國ですからたくさんの醤油があります。中華料理に使うのなら、地元の醤油で充分ですが、いざ、普通の日本のおかずとなると、深みやこくのないこちらの醤油では味が落ち着きません。そんな時、市場の大きな食料品店、飲食店に油や調味料もおろしている店先に見つけたのがシンガポール産のキッコーマン醤油でした。1.5リットル入りの大きなボトル、お値段は日本産に比べて、随分とお安かったように記憶しています。このシンガポールのキッコーマンには随分長くお世話になりました。

 ある時、アメリカからのものばかりをバルクで売るお店が出来ました。日用品から缶詰まで、大きさは日本人の私たちには、多すぎる大きすぎる量です。そこで見つけたのが、アメリカ産のキッコーマン醤油。 2,25リットル入りです。アメリカでも寿司ブーム豆腐ブームとともに醤油が浸透しています。キッコーマンは醤油の代名詞にまでなっているそうです。お値段は、日本のものとさして変わりありません。シンガポール産からアメリカ産キッコーマン醤油に乗り換えました。はっきり、ビックリするくらい美味しい醤油です。まろみがあります。この醤油にも随分お世話になりました。

 香港20年ほど前から徐々に寿司ブームが始まります。最初は例の回転寿しでした。流行ると、スーパーの陳列台にも、寿司が並びます。サーモンがメインで。わさび抜きで売られていますが、瞬く間に寿司は香港に蔓延してしまいました。それに伴って、地元のスーパーの醤油の棚には刺身醤油が並びます。あのちょっと甘めの醤油をつけないと、香港人は生魚を食べることが出来ないようです。いい醤油に柑橘物の汁を数滴垂らしたようなものでは、心もとないのかもしれません。それと同時に、中國製の食品の安全が問われるようになると、一番信頼が置けるものは日本製となるのです。醤油だって、日本製は一番と香港人ばかりか中国の人までおっしゃいます。今では我が家から歩いて3分のスーパーにも、日本製キッコーマン醤油が並んでいます。

 日系のスーパーにも、日本全国の醤油が入ってき始めました。大分の臼杵にあるフンドーキンの醤油が私は好きです。随分お高いものでしたが、夫婦二人たくさん使うものではありません、奮発して買っていました。でも、きっと人気がなかったのかお店の棚から消えてしまいました。がっかりしてはいられません、必需品ですから。その頃、主人が減塩を勧められました。迷わずに、キッコーマンの減塩醤油に代えました。でも、美味しくないのです減塩醤油は、そこで、鰹節の小さな塊を5,6個入れてみました。2日目ごろから味が柔らかくなります。料理屋さんでは、削り鰹と一度煮立てて、漉して使うのだそうですが、煮立てたり漉すのが面倒です。手抜きで、鰹節の塊を入れています。

 中國は大変な食糧品の高騰だそうです。中國と境を接する香港の新界の大きな町、たとえば上水や元朗などの街は、以前は週日の昼間は、年寄りと子供しかいない街でした。最近は、中國からの買い物客ばかりが歩いています。大きなコロの付いた空の鞄をひいて中國からやって来ます。お目当ての赤ちゃんのミルク、日常品を鞄が破裂しそうに詰めて帰って行きます。そんな、国境の街を歩いて目に留ったのが、日本のキッコーマン醤油が薬屋の店先で売られていることです。「日本原装」と書かれています。つまり日本で元詰めされた商品、安心ですよ、という意味です。買う方は5本ほど荷物に入れています。

 田舎屋の壁には  キッコーマンのマークが張られるほど、日本の醤油の代表格です。食の安全で日本のもの選んでもらえるのは、日本人としてはうれしい限りです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台湾の菊

2013年11月09日 | 

曇り、23度、85%

 台北に行くと楽しみにしていることのひとつが、花市です。市内を走る高架道路の下に延々と先が見えないほど続く花市です。花だけではありません、お茶やお香、有機野菜の販売までしています。そのバランス感覚がなんとも台湾だなと思わせます。花も野菜も当然お茶も台湾で採れた物です。ところがあるとき、その花市がなくて、ただの高架下になっていました。台北の花市は暑い季節をのぞいた市で、通年の花市ではなかったのです。旅行先では主人と一緒に早朝散歩に出ます。地元の朝早くからやっている食べ物屋さん、散歩の途中に出会う犬たち、この花市もそうして見つけた産物です。

 香港の花市、ハローウィンが終わると早速クリスマスに向けての品揃えになってきました。これからクリスマス、ニューイヤー、春節と花の入荷量も増え、値段も春節前が一番高くなります。世界中から集まってくる花たちです。昆明はもちろん、オランダ、日本のふたつからは高級な花が入ります。最近では南アフリカのバラが素敵な色です。マレーシア、ベトナム、意外なことに台湾からの花は最近入ってくるようになりました。空輸される花たち、思うほど重装備でなく、大まかに箱に入って送られて来ています。

 そんな、荷物を下ろしている忙しい花市で、誰の気兼ねもなく花の束をのぞかせてもらいます。品のいい薄紫の菊。ネットが被っていますが、花弁が長い菊です。香港の菊の大半は、昆明からの輸入もの、念のためにおばさんに昆明から?と尋ねました。返事は無愛想に台湾とおっしゃいます。あー、確かに箱には台湾と書かれています。

 家に帰り、ネットをとり壷にポンポン投げ入れました。ものの1時間もしないうちに、あれあれ、水を吸い上げて、菊が開いています。 直径が10センチもある大きな菊です。長い花弁は先の先まで水を吸って、ピンとしています。堅かった花の中央も時間とともに開き薄黄緑がのぞきます。

 ポンポンと投げ入れた時は、寂しそうな花景色でしたが、開き切るとなんとゴージャスなことか。菊というと、なんだか仏様に捧げる花のイメージがありますが、最近の菊は色にしても、花姿にしても様々。

 確か台北の花市でも、たくさんの種類の菊がありました。古来種の菊は、野菊に近いものだそうです。これほどまでに長い花弁持つ菊、何代もの改良の成果でしょう。小さな花が好きな私も、たまには大花の魅力に負けてしまいます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

香港 高街 鬼屋

2013年11月08日 | 香港

曇り、22度、75%

 香港島のセントラルから2階建てのトラムに乗って、西に向かいます。右手にマカオフェリーを見た辺りからトラムは左に大きく曲がります。トラムは年中オープンカーですので、街の匂いが解ります。曲がった途端に鼻を突く匂い、見るとどこの店も大きな魚や貝柱、ヒトデまで干した物を売っています。ここは香港の一大塩乾物を売る街、サイイップーンです。セントラルから、トラムで僅か15分ばかりのこの街も古から人が住む街です。セントラルに近いにもかかわらず、飾り気のない街の人たち、声高の話し声、ありのままの香港です。トラム通りから、山向きにクイーンズロード、第1街、第2街、第3街、高街と東西に走る道があります。かなり急な坂道を、買い物を片手に、赤ん坊を背負ったおばあさんたちが上る姿をよく見かけたものです。

 この高街に、英国様式の石造建築物を見つけたのは、20年以上前のこと。古い建物を写真に収めていた頃のことです。 草が生え放題、この写真からはよく解らないのですが、中の建物は黒焦げの状態でした。当時の香港は、今ほど高層建築物もなく、古い建物が傾いたような状態で町中に見られました。しかも、英国風もあれば中國的な建物もある、要するに東西のメルティングポットのようなところでした。さて、この建物、私の記憶でも随分この荒れた状態のまま放置されていました。 10年ほど前でしょうか、改築工事が初まりました。看板には政府の建造物と記されています。今では、サイイップーンの社区総合ビルとして使われています。

 この建物が、鬼屋(お化け屋敷)と呼ばれていることを知ったのは、1週間ほど前のこと、新聞のサイイップーンの地下鉄開発の記事で知りました。途端に、私の頭には20年前のあの姿が甦ります。火事で焼けて放置されていた大きなビルですから当然と思いました。ところが、記事を読むうちに、鬼屋と呼ばれている所以は別のところにありました。

 1892年に建てられたこの建物は、政府の病院関係者の宿舎として作られた物だそうです。その後、第二次大戦中、日本軍が占領したとき、日本軍はこのビルの地下で、捕虜の処刑を行ったといわれているそうです。つまり、それ故にこのビルは、鬼屋と呼ばれるようになったのです。戦後一時的に精神病院として使われた後、2度の火事がビルを襲ったと記されています。

 新聞片手に、気持ちが沈みます。この日本軍の処刑云々は、史実かどうか解りません。ただ、そういう言い伝えがあることに驚きました。

 この建物の向かいは、大きなジョージ5世の公園があり、いつ見てもこの建物に陽が注していることがありません。 香港にしては珍しく、元の建造物を生かした建替えです。我が家から、歩いて20分、涼しくなるとモモさんとの散歩で足を延ばします。

 20年以上もこの建物の暗い印象が私の胸から消えませんでした。その土地その土地、歴史に因る深いものを秘めていると改めて感じています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケニアの紅茶 LOYD

2013年11月07日 | お茶

曇り、23度、90%

 アフリカの高原地帯にもお茶の木があるそうです。モーリシャス、ケニアはアフリカでもいいお茶が採れると聞いていました。ミルクティーにむくと書かれたブレンド紅茶には、必ずケニアの紅茶が含まれています。ところがケニアの紅茶だけで売られているのは、ほとんど見かけません。マリアージュには単品でケニアの紅茶もあるのですが、私が尋ねた時は、扱われていませんでした。人気商品ではないのでしょう。そうなると、ますますどんな紅茶かと想像は膨らみますが、手に入れることがないままでした。

 まだ夏の暑い頃、滅多に行かない食糧品屋へ足を運びました。お目当ての物があるわけではありません。この店は、最近香港でテェーン店を拡げている、日本のお菓子やラーメン、飲料水を日系のスーパーより安く売っているところです。日本の袋入りスナックは、香港人に人気があります。そこで、見つけたポーランドの紅茶、LOYD。その時はアールグレーを買い求めました。他にも、フルーツのフレーバティーがありました。

 ポーランドの紅茶、それだけで、気持ちは見たこともない東欧の国へと飛んでしまいます。お値段がリプトンなどよりお安いのに、結構美味しい紅茶でした。ロシアの影響でポーランドも紅茶を飲むことも知りました。

 秋風がたって、久しぶりにその店をのぞきました。この店は、定番商品は少なく、普通商品の在庫が売り切れると店には並ばなくなります。見上げた紅茶の棚、LOYDの紅茶はありますが、夏とは違った品揃えです。そこで、ルイボス、セイロン、そして、ケニアのティーバックを買いました。 そうです、初めて、ケニアだけの葉っぱを使った紅茶に巡り会いました。

 早速、家に帰ってお茶を入れます。お茶の色は、ぐっと濃いめの色目、香りも色と同じく深い紅茶の香りです。一口、口に含みます。香りが鼻に抜けた途端、木の香りのような渋みが拡がりました。あー、やっぱりミルクティーが合うのね、と感じます。そこで、冷たいミルクをほんの少し。ミルクのまろやかさが、この紅茶の香りも味も数段引き上げてくれます。アッサムのくせの無いミルクティーではありません。色も香りも味もしっかりと主張しているのに、決してくどい紅茶ではありません。ブレンドされた紅茶には、ブレンドしたひとの好みでくどくなることがありますが、このケニアの葉っぱだけの紅茶は単品です。

 肌寒くなると、ミルクティーが恋しくなります。それでも、 先日焼いたズッキーニブレッド一緒の時はミルクを入れずにストレートで。

 ポーランドの紅茶、寒い冬をLOYDの紅茶で過ごす人たち。ケニアの紅茶の葉っぱ、高地で朝早くから茶摘みをする人たち。私の小さな世界観は、いつもこうして、食べ物飲み物の向こうに拡がります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台所の窓

2013年11月06日 | 日々のこと

曇り、22度、85%

 実家を18歳の時に出て以来、一人暮らしの自炊の時も含めて、12カ所の台所を使ってきました。どの台所も充分な広さがあるわけでなく、40年近く前の日本のアパートの台所などなんともこじんまりしたものでした。今振り返ると、その12個の台所全てに窓がありました。

 アパートの外通路に面して窓がある台所、匂いで、そのお宅の夕飯の献立まで解ります。台所に立つ人と目が合えばちょっと会釈を。一人暮らしの時は、そんなに重きがなかった台所、結婚して主婦となった途端に、それこそ私のお城です。起きたら直ぐに台所、寝る直前まで台所。

 自分のために作った台所ではありません。流しの高さ、シンクの大きさ、棚の配置、使い辛い台所も、不思議なことに自分の台所になってくれます。朝、寝ぼけ眼で台所に立っても、体が自然に動いて行きます。だから、今まで使ってきた台所全てが大好きです。

 私の癖ですが、台所で洗いものをしながらよく考え事をしています。楽しいことの時もあれば、今日の予定を考えたり時には気の重い考え事もあります。若い頃は、流しの上で涙をポロポロこぼしたこともありました。大きなため息をつくこともあります。そんな時、窓の外にふと目を遣ると、心がすっと落ち着き、気分を変えることが出来ました。見える景色は12個の台所とも様々でした。緑が生い茂った小さな窓、空しか見えない窓、向こうの建物の別の家の台所が見える窓。見えるものは違っても、外とのつながりを作ってくれる窓です。

 気の重い考え事は、心に沈んで、中に中にと入って行きます。抱え込みそうになる時に、外に目をやれる窓は、重いものを引き出してくれるようです。大きなため息も窓の外へ。

 今の家は、一番永く住んでいます。14年になるでしょうか。ここの台所、窓が2つあります。 ちょっと変形な台所、流しに立つと、奥の窓が左横に位置します。水平に目をやると、見えるのは隣のビルの窓ばかりですが、ちょっと乗り出すと、 下のプールが見えます。夏休みの間はこのマンションの子供の声がプールサイドから上がってきます。この14年間、このふたつの窓にどれだけ助けられたことでしょう。時には、向こうに見える窓の中、私と同じような思いをしてる人がきっといるわよ、と言い聞かせます。素晴らしい眺めではありません。それでも、この窓のおかげで、気持ちを建て直して台所から出ることが出来ます。

 今流行の、オープンタイプの台所はどうも苦手です。対面式などというそうですが、たとえ家族とでも対面して、味見やつまみ食いなどで来ません。お客様などいればもってのほか、手順の悪い私は、テーブルは主人に任せて、台所に籠って次に出すものなどを作っています。お腹はすきますから、自分用に取っておいたものを、口に放り込みながら料理します。台所はやっぱり個室でなきゃね、と思うわけです。それに、対面式だと泣くことも出来ません。小さくても独立して窓のある台所、私のお城です。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ズッキーニブレッド

2013年11月05日 | 菓子

雨、21度、98%

 長くて蒸し暑い夏が終わって、空が高くなり始めると、急に食べたくなるものが幾つかあります。さっぱりしたものよりちょっと重めなお菓子や香り高い食べ物を体が欲しいと言い出します。

 ズッキーニブレッド、ズッキーニは夏の野菜ですから、本来はこの季節のものではないはずです。それでも、どっしりと素朴なこの焼き菓子は、この時期になると必ず焼きます。ズッキーニブレッドなどといいますが、イースト発酵のブレッドではなく、ベーキングパウダーやベーキングソーダを使うクイックブレッドと思ってください。いかにもアメリカらしい、ボールひとつに次々と材料を入れて行くだけで、準備完了。

 ズッキーニブレッドを知ったのは、30年近く前のことでした。当時は、ズッキーニなんて普通のスーパーにも売っていません。最初、ズッキーニと聞いたとき、キュウリの変わり種と思っていました。ところがズッキーニ、茄子の親戚、カボチャの友達の当たりに位置する野菜だそうです。高嶺の花の輸入物のズッキーニなんて使えませんから、初めは、カボチャで作ってみました。そうですね、やっぱりズッキーニの方が断然美味しいです。しかもすり下ろすのが楽です。 アメリカタイプのこうしたケーキは、分量の表示が、カップや大さじで表されています。何gでないところが、なんとも家庭的で好きです。要するに大雑把に作ります。

 大きめの、ズッキーニ1本をすり下ろします。卵2個と砂糖1カップ弱をあわせた中に、半カップのサラダオイルを混ぜます。そこに、ズッキーニのすりおろしを入れます。1カップと半分の薄力粉と小さじ半分のベーキングパウダー、ベーキングソーダーとたくさんのシナモンをふるい入れて、型に流し込み、250度のオーブンで20分、180度にさげて10分焼くと出来上がり。 ズッキーニはおろすと、水分が出ます。その水分も一緒に入れますから、しっとりした焼き上がりになります。普通のアルミのパウンド型を使ってもいいのですが、水分が多いのでいい焼き色が付きません。そこで、いつもこのルクルゼのテリーヌ型を使います。熱持ちに優れている鋳物ですから、周りからじわじわと焼き上げてくれます。

 香港でも、ズッキーニが地元で栽培されるようになりました。八百屋の店先に並ぶズッキーニの色も様々です。緑の斑ズッキーニまで登場しています。生でも、煮ても焼いてもおいしいズッキーニです。お安く手に入るのはうれしい限り。

  私はシナモンをたくさん使いますが、グローブやオールスパイスもこのケーキにはあいます。ローフ型で焼かずにマフィン型を使えば、ズッキーニマフィンの出来上がりです。オイルはサラダオイルと書きましたが、私は普通のオリーブオイルを使います。バージンオイルでなく加熱用の軽いタイプです。これを、溶かしバターに代えるとまた違った風味になります。いい焼き色の付いた外側は、カリッとしていますが、中はもっちりとした食感です。私の朝ご飯用のズッキーニブレッド、濃いめに入れた紅茶に合います。しっとりとして重そうに見えますが、そこは野菜が主体です、お腹にすっと落ち着いてくれます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

62歳のフィリップさん

2013年11月04日 | 香港

曇り、22度、82%

 私が香港島の北、中腹にあるボーエンロードを走り始めたのは17年前のことです。仕事柄、どうしても12月から2月にかけては風邪を引いていられない状況でした。風邪をひかないために始めたジョギングです。長距離は大の苦手、そんな私が徐々に距離を延ばしながら、半年かけて、ボーエンロード8キロを走ったときは、嬉しくてオイオイ泣いてしまったほどです。その翌年からは香港マラソンも初まりました。朝、ボーエンロードで会うジョッガーの人たちは大小のマラソンレースに誘ってくださいましたが、今まで一度も参加したことがありません。自分の性格上、レースに参加するとなると、事前からプランを立てて、毎日タイムをとったりしそうです。そういう負荷を自分にかけたくないと思っていました。

 このボーエンロードは、距離が明記された香港島では有名なジョギング道です。一日中走る人が跡を絶えません。早朝は、お年寄りが散歩や太極拳も兼ねてやって来ます。この道で、私は毎朝、10人ほどの走る人に会います。この人たち、ほとんど私より永くこのボーエンロードを走っている方達です。人種も様々、朝の挨拶も何か国語かが飛び出します。時には立ち話などもするほどの仲間です。その中の一人、フィリップさん(香港人は中國名の他に呼称として英語名を持っています)つい先日まで、私より若い方だと思っていました。ここ数ヶ月朝お会いする回数が減ってきました。元気?と尋ねると、退職したから朝は時々走らなくなったとおっしゃいます。退職?政府の仕事をしていた彼は60才で退職したそうです。そんな彼が、別の私を知る走る友達と私のことを話題にしたことがあったそうです。どこのレースにも参加しないのに、毎朝早くに走っている私は、純粋に走ることが好きな人だと、話したとのこと。思わず涙が出るほど、その言葉は私を嬉しくしました。

 自分が走ることが好きだと気が付いたのは、走り始めて10年以上も経った時のことです。それまでは、周りを見て、自分のことは棚に上げ、よくまあ、まじめに走りに来るものだわ、などと思っていました。ところが、自分が走ることが好きだと気付いて以来、毎朝会う彼らも走ることが好きなんだと、解るようになりました。

 こう話してくれたフィリップさん、先日の大阪マラソンにも参加し、その時のことを楽しげな話してくれます。別の方も、日本のトレールマラソンに参加するんだと話してくれます。一緒に並んで走ることもあります。アメリカ人の私より年上の彼女は、アメリカにいる11人の孫の話です。今、気付いたのですが、毎日会うのに名前を知っているのは、フィリップさんとイギリス人のジョージさん、アーロンさんだけです。

 17年間、主人の理解とこうした仲間のおかげで、走ることが出来ました。ほんとは皆の名前を書きたかったのですが、代表してフイリップさんを。

 今朝は雨上がりの中、台風の余波の風を受けながら、拾ったドングリを握りしめて先程帰宅しました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブロッコリーチップ、バナナロール、ココナッツフレーク タイからの土産

2013年11月03日 | 日々のこと

曇り、25度、75%、シグナル1

 辛い辛いと思っているタイの食べ物、蒸した餅米にココナッツミルクやドリアンのペーストをのせて食べるデザートのようなものは、これまたすごく甘く、派手な色付けがされている飲み物などは、味のメリハリにかけるようなところがあります。しかも、北と南では食べるものの種類も違う、トムヤンクンばかりがタイを代表する食べ物ではありません。

 世界一のお米の生産量を誇る農業国としてのタイ、随分以前からオーガニックの蜂蜜や野菜を使ったものが充実していると感じていました。緑やピンクの人工着色料に色付けされたお菓子の横に、添加物の無い自然の色のものが並んでいます。

 主人が出張の度に買って来てくれるのは、こうしたオーガニックのスナックや石けんなどです。オーガニックを謳った商品は、タイでもお値段は高め。オーガニックの化粧品にいたっては、換算するとビックリするほど高いものもあります。

 ブロッコリーチップ、 ごぼうや人参いろいろな野菜チップは、台湾産のものも出回っていますが、ブロッコリーそのままの形は初めてです。チップといっても、実際にフライするのではなく、最近では真空状態で吹き付け乾燥をさせるそうです。口に入れると、ホロッと崩れます。塩も砂糖も含まれていません。青っぽいブロッコリーの匂いはそのまま、食感だけが違います。

 バナナロール、 ご覧の通りロール状。きっと縦に薄く切ったバナナをくるくると巻いてゆっくり乾燥させたのかと思われます。噛み切るのも困難なくらい、ねっとりとしています。バナナチップの軽さとは違い、濃縮バナナです。無添加ですが、甘み、匂いともに生のバナナより強く感じます。8センチほどのこれひとつで、お腹にどっしり来ました。

 実は、このブロッコリーチップとバナナロールは、初めて食べたものです。こちら、ココナッツフレークは、 随分以前から私の好物です。青いココナッツの内側の白い部分をローストしてもので、少し砂糖がまぶされています。好物ですので、食べ過ぎて一時はもう見たくないとまで思ったほどでした。以前は、こんなしゃれたパッケージではなく、ドンと大きな袋入り。食べ始めたら止まりません。

 もう一つライスクラッカーがあるのですが、バナナでお腹が一杯、今日のおやつに食べてみるつもりです。タイでは、日本の大手のおせんべいやおかきのメーカーが工場を持っています。ポンポン菓子のような、ライスクラッカーがあっても不思議ではありません。

 私が食べるものは、ほとんど一緒に食べるモモさん。ブロッコリーチップもバナナロールも1分近く匂って、嫌だと首を横に向けました。ココナッツフレークは、 お気に召したみたいです。私との取り合いになりそうな雰囲気です。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

香水

2013年11月02日 | 日々のこと

曇り、25度、66%、シグナル1

 私をご存知の方は、納得してくださると思うのですが、私は女性的な女ではありません。なのに、小さい頃から香水が好きでした。母は香水は大嫌い、身の回りに無いのにいいにおいのする女性が側を通ると振り返ってまで残り香を嗅ぐほどです。でも、昔は今のように10代の人たちが、コロンをつけるような日本ではありません。コロンや香水は、ある程度歳のいった女性のものだと思っていました。にも関わらず、家を出た18歳以降、必ず、コロンが1本身の回りにありました。

 ニナリッチのレールヂュタンに始まり、どのくらいのコロンを使ったことか。結婚してからは、主人が海外からのお土産に必ず買って来てくれました。お金もなかった頃のことです、毎日使うわけではありませんが、疲れたときや気分を変えるには、コロンは絶大な力を発揮してくれます。

 40代の頃は、ディオールのデュ−ンに凝りました。夏は、ガッバーナのライトブルーも好きでした。うんと寒くなると、急にゲランのミツコが恋しくなります。

 50代に入ってからは、いろいろな香水を楽しむよりは、好きなものだけでいいと思うのですが、買って来てくださる主人は、新しい物に挑戦しなさいと、様々なコロンが集まります。最近のお気に入りは、夏がシャネルのクリスタルオヴェルト、冬はココマドモワゼルです。

 ココマドモワゼル、この3月頃まで使っていましたが、少し残して大事にとってあります。主人がいつこれをまた買って来てくれるか解りませんからね。 今使っているのがディオールのアディクト。後3日ほどで使い切りそうです。

 そして、新しい物に挑戦しなさいと主人が買って来てくれた香水が、 箱に入ったまま4つもあります。 香水が好きだといっても、全てが好きなわけではありません。苦手な匂いもあります。40代までは、出かける前と寝る前に漬けていた香水ですが、最近は休む前に襟足につけて休みます。苦手な匂いでは、いい眠りが得られません。甘すぎず薄すぎず、欲張りなことはいえませんが、私が心地よいと感じる香りならばいいのです。香水も、様々なトーンがあって、それがつけた後時間の流れで、香りが変わって行くのだそうですが、いかんせん、自分がつけているとその変化は解りません。白人が、コロンをつけるのとは意味が違います。肉食系の人たちの体臭と私たち魚や野菜の食生活の人間の体臭では、質が違うように思います。体臭を消すために使うコロンではありません。

 香水やコロンは香りが一番大切ですが、そのボトルもまた楽しみのひとつです。箱を開けてみました。 シャネルの#19。これは、夏の間好きなオーヴェルト(緑の水という意味ですが)を主人に頼むのに、薄い緑のコロンよ、と言ったばっかりに間違えて買って来てくれたものです。 ランコムのミラクル。これは旅行用に買って来てくれました。先日の福岡行きに一緒に連れて行きました。 ブルガリのジャスミンノワール。黒ジャスミンですって、大人っぽい名前ですね。 資生堂のザ銀座が出している、調香師セルジュルタンスが作っている香りのシリーズのひとつ、ラフィーユデュベルダン、ベルリンの女の子。スパイシーな香りらしく、色が深い赤です。流石、資生堂の容器、こんなシンプルなボトルが一番好きです。 その対極、スペインの彫刻家がデザインしたヘッドを持つ、シスレーのオードソワール。

 香水といっても私が使うのはパフュームではなくオードトワレです。20代の頃、主人がミツコのパフュームを買って来てくれました。私にとってはお宝ですから、ずっと箱に入れて出して来ては眺めていました。香水も水分です。時間が経つと蒸発して色も濃くなりました。これはつけないとつけるのですが、私には強すぎる感があります。

 主人のおかげで、40年弱、いつもコロンがある生活を送ってきました。もうすぐ、アディクトを使い上げます。さて、秋から冬にかけて次はどのコロンをおろしましょうか?今から、クンクンと品定めいたします。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Reypenaerのゴーダチーズ

2013年11月01日 | チーズ

晴れ、21度、79%

 チーズが安かった頃の香港を思い出します。日本から来たばかりの頃は、種類こそ少なかったけど、お値段は日本の半分ぐらい、このチーズとはプロセスチーズではなく、ナチュラルチーズのことです。当時はイギリス領でしたので、イギリス系のチーズが主流でした。イギリスから来るものより、オーストラリア、ニュージーランドから来るものの方が多かったように思います。たとえ、オーストラリアのチェダーでも美味しいと思ったものです。あの頃は香港人が、まだそうしたチーズに嗜好を感じていなかった時代でした。

 この10年ほどのチーズの値上がりは、目を見張ります。特に、普通に食べていたナチュラルチーズの値上がりです。ところが、チーズの市場が拡がって、香港に入ってくるチーズの種類は、世界中から様々です。チーズ専門の店もできました。チーズのケースに顔を付けてどこの国のなんというチーズか選ぶのにも苦労するほどです。挙げ句に、私など臭わせて頂戴、などとわがままを言います。

 ゴーダチーズはオランダのチーズ。やや硬めですがくせの無い食べ易い、牛乳からできたチーズです。ワックスがかかったこのチーズ、熟成させると微妙に味が違ってくることを何かの本で読んだ覚えがあります。チーズの棚の前で、真剣にチーズと向き合っていた私の目に留ったのは、X.O,やV.S.O.Pと書かれたチーズです。ブランデーに漬けたチーズかしら?匂いますがお酒の匂いはしません。裏を読むとゴーダチーズです。ゴーダにしては色が濃いめです。まずは、X.Oを試してみることに。

  ワックスはこんな色です。 一口口に含むと、ゴーダのまろやかさよりももっと濃厚な味がします。しかも、ホロッと崩れるほどの固さです。ここで初めて、もしかしたらこれが熟成を重ねたゴーダではと思い、調べてみました。

 Reypenaerは、ゴーダチーズを専門に作っているようです。この、X.Oは、2年半寝かしたゴーダでした。V.S.O.Pは2年寝かして作るのだそうです。寝かしているうちに水分が飛ぶので、硬質なチーズになるのでしょうね。

 濃厚な要するにゴーダを煮詰めた感じですが、決してくどくない、チーズにもこんな表現が当てはまるとしたら、ナッツのようです。

 お値段は高くなりましたが、珍しいチーズが手に入る香港です。今からクリスマスにかけて、イギリスからは陶器に入ったスチルトンブルーが入ってきます。

 フランスでは同じ産地のチーズとワインが合うと言われているそうです。さて、このゴーダどこのワインといただきましょうか。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする