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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

義母の通院

2020年01月21日 | 義母とのこと

晴、7度、63%

 義母を昨日、退院後2度目の検査のために病院に連れて行きました。退院して2ヶ月と10日が過ぎました。お正月を挟んだので前回の検査からは45日、間が開きました。この1年で退院後2ヶ月も骨折が無かったのは初めてのことです。

 診察室に入るなり、担当医から「記録更新中ですね。」と言葉をかけられました。昨年は退院してもすぐに骨折を繰り返し、一年近くの入院生活でした。退院と同時に老人施設に入居しました。もちろんイヤイヤです。2ヶ月経って、施設に慣れたかと思えばいまだに不平不満だらけです。1日の生活が単調、ご飯が美味しくない、周りに話ができる人がいない、物が盗まれた、などなど。面会のたびに聞かされます。昨日は午前中ずっと一緒でしたから、同じ話の繰り返しです。

 内科も初診で受けました。高血圧のお薬をもらうためです。内臓欠陥がないのは本当にありがたいことだと思います。続いて、レントゲンです。レントゲンの後、担当医との面談。実は数日前にベットから滑り落ちたと施設側から電話がありました。すぐに歩けるし痛みもないとのこと。その旨先生にも話します。このベットからの転落後面会に行った折には気付かなかったのですが、昨日の朝、私の車に乗せる時の義母の足取りがいつもと違います。力がなく、歩幅が狭いと感じました。担当医は病室に入る時に気付いたそうです。でもレントゲン写真にも新しい骨折は見られません。本人痛みもないようなので、またひと月後の検査です。

 このひと月ひと月の検査は、いい励みになります。義母に会う度、「後何日で検査、それまで気を付けて生活しようね。」と目標を掲げます。義母は病院が大好きですからこの効果は絶大です。

 朝から段取りをつけて義母を施設に迎えに行き病院に連れて行きます。義母にとっては久しぶりの外出でした。実家に寄りたい、買い物をしたいと言いますがまっすぐに施設に連れて帰りました。家に戻りたい気持ちを増幅させないためにそうしてくださいと言われています。ひとまず今月の診察、無事に終わりました。

 義母を見ながら、30年後の自分を考えることしきりです。

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菊の花の炒め物

2020年01月20日 | 昨日のお昼ご飯

曇、9度、61%

 食用の菊をたくさんいただきました。お吸い物、酢の物、和え物と食べても食べても量がしれていますので冷蔵庫には菊の花がいっぱいでした。そこで、昨日はお昼ご飯にそのふんわりと柔らかな菊の花を炒め物の最後に加えてみました。

 香りを損なわないように色も変わらないように、ちぎっておいた菊の花びらを炒め物に散らします。菊の花吹雪です。薄い花びらはさすがに歯応えはありませんが、うっすらと油が回って初めての味になりました。一緒に炒めたのは豚肉と長ネギ、長芋だけです。長ネギだけが強いお味です。お味もさること菊の花の最後のひとひらまで無駄にせずに食べれて、彩りの美しい一皿でした。養殖の菊の花だそうです。とっても贅沢なお昼ご飯でした。

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紅茶茶碗の底が見える紅茶

2020年01月19日 | 日々のこと

曇、5度、96%

 先日、「紅茶茶碗の底が見える紅茶」を昔飲んだという雑誌のコラムに出会いました。書かれた方は新聞配達の途中でその紅茶を振舞われたのだと書かれていました。そして、その紅茶にお砂糖を入れて召し上がったのだそうです。

 私は毎日3杯は紅茶を飲みます。このコラムを読みながら思い出すと、ここ最近、底まで澄み切った紅茶を飲んでいないことに気付きました。細かい紅茶の葉が濾されずに底に溜まっています。そのせいでカップの紅茶を飲み干すことがありませんでした。カップの底まで澄み切った紅茶を入れようと一工夫、なかんかうまく行きません。

 毎日飲むのはセイロン紅茶、中でもウバと呼ばれる高地の紅茶です。紅茶茶碗を持ち上げると瞬間フルーティーな香りがします。次に口に含むと渋みもあり、紅茶の色は澄んだ赤、西洋人はこれをオレンジ色とも言うそうです。お砂糖は入れずにいただきます。微かな渋みが口の中をさっぱりとしてくれます。ウバのこの茶っ葉は非常に細かくて、漉してもチップが出来てしまい紅茶の中に濾されずに入ります。

 いつもの漉し器に薄紙を引いて漉してみたら、紅茶茶碗の底まですっきりと見える紅茶がはいりました。見た目が美しいばかりか、美味しさも一際と感じます。最後まで紅茶を飲み干します。毎日使う紅茶茶碗はスポードの「ブルーイタリアン」です。ブルーイタリアンのシリーズはフルセットで持っていますが、そのきっかけとなったのは紅茶茶碗の底の絵でした。イタリアの田園風景が書き込まれた「ブルーイタリアン」は紅茶茶碗の底にも塔のある景色が書かれています。この絵を紅茶を通して見たくて求めたのに、いつもこの絵の上に紅茶の小さな葉っぱが漂っていたわけです。

 久々に気持ちの良く紅茶茶碗を覗き込みました。この時期、おしいしい紅茶を飲むためにはポットも紅茶茶碗もしっかりと温めて、出来たら葉っぱが開くまではティーコゼーを被せて保温していれてください。一杯の紅茶ですが美味しさがひとランク上になります。

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白蘭花のルームフレグランス

2020年01月18日 | 身の回りのもの

雨、7度、72%

 香りの良いものは食べ物でも石鹸でも好きです。ところが歳を重ねるにつれて、強い香りのものが生理的に受け付けられなくなりました。「いい香り。」と思っていてもしばらくすると鼻腔の奥に痛みを感じたり頭が重くなります。香水は自分につけるものですから一番敏感です。ルームフレグランスですら選り好みが出始めました。

 お香の香りも好きです。この日本風の家には一番似つかわしい匂いです。お香から上がる煙を見ていると落ち着きを取り戻します。お香と同じくらい静かな香りは、ディフューザーの香りでしょうか。アロマオイルに立てたコーンスティックからどこからともなく香ります。放っておいても火災の心配もありません。この寒い季節には火の光が見えるアロマキャンドルは暖かさを連れて来てくれます。 その火の作る陰影もまた楽しみです。ディフューザーもアロマキャンドルも元になる匂いによって随分と香りが違います。心にも体にも障らない香り、我が家では「白蘭花」のものを揃えています。 「白蘭花」は蘭の花ではありません。高い木に咲く小さな白い花です。熱帯から亜熱帯にかけて樹高7メートルにもなる木の花です。 香港では初夏から夏いっぱいどこからともなくこの香りがします。木が高いので匂いの出所がわからないのです。こんな小さな花からと思うほど静かな澄んだ香りを放っています。早朝の空気を汚さない香りです。この写真の「白蘭花」の木の下を香りに包まれてモモさんと散歩したことを思い出します。

 ロウの色は乳白色、きつい色付けをしていないのもお気に入りの理由です。キャンドルは火の用心が必要です。火を灯して、家の隅から香りが立ち始めると気持ちが穏やかになります。昔の芳香剤、臭い消しとは違った香りの利用法です。香りを付けるのではなく、香りが空気になっています。心が疲れた時にキャンドルは香りと視覚から安らぎをくれます。今日もまた家の隅からスッと香る「白蘭花」です。

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モモさんのシフォンケーキ

2020年01月17日 | もも

曇、6度、75%

 今日は生きていればモモさんの16歳の誕生日です。どんなおじいちゃんパグになっていたでしょう。顔は白くて、後ろ足が弱くなって、お散歩はいつもバギー、などと想像します。今年でモモが逝って3年になります。思い出さない日はありません。相変わらず家中モモさんの写真だらけです。

 モモさんは私が作るケーキの中でも一番好きだったのが、シフォンケーキです。シフトの音、ハンドミキサーの音、オーブンの開け閉めの音、「何か作ってる!」とちゃんと知っていました。モモさんの食欲が落ちるとすぐにシフォンケーキを焼きます。シフォンケーキだけはどんな時もよく食べました。モモさんが食べるのでお砂糖は卵白が立つギリギリしか入れません。

 今朝一番に抹茶のシフォンケーキを焼きました。 まだ、冷ましています。型から出すのはお昼頃になります。「モモさん、お誕生日おめでとう。」ココさんと一緒に今日はお祝いしますね。

 現実モモさんがいないのはわかっているのですが、私の中のどこかで今だにその現実を受け入れられずにいます。「困ったものですね、モモさん。」シフォンケーキを焼く時はいつもモモさんのためにとこれからも思い続けることでしょう。

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毎朝焼く小さなフランスパン

2020年01月16日 | パン

曇、4度、75%

 毎朝小さなフランスパンを焼き始めて、2年半が過ぎました。日本にはこのフランスパンを焼くための準強力粉という粉がたくさんの種類あります。パンを焼き始めた30年近く前は、日本の小麦は製パンには適さないと言われていました。それが日本の小麦を改良して製パンに適した小麦粉が作られたそうです。そうした粉をブレンドして自分の好みに合った配合を見つけました。ところが昨年の12月半ばから満足のいくパンが焼けなくなりました。

 寒くなると仕込水の温度、発酵時間など微妙に調整します。香ばしい香りがなくなりました。香りは小麦の採れた時期などによって変化します。「小麦粉のせいかな?」と思っていると、パンの中クラムに大小の気泡が見られなくなり、目が詰まって食パンのようです。こうなると根本的に何かがおかしいと感じます。そこで、 普段使わない粉も使ってみました。また一からやり直しです。

 毎朝焼くパンの粉の配合、酵母の量、その日の天気、温度はこの2年半記録してあります。同じく焼き上がりを写真に撮って、Twitterやインスタに載せています。あくまでも自分の記録です。家庭で焼くパンです。温度管理や湿度管理がお店のようではありません。しかも私の気まぐれが手伝って、毎日違った表情のパンが焼きあがります。見た目も大事ですが、粉の香りと美味しさを味わうことが一番の楽しみです。

 再び、粉の配合、仕込み水の量などを変えの挑戦でした。ひと月、やっと思うようなフランスパンが焼けました。香り、噛みしめるほどに広がる小麦のうまさに満足します。 クラムの気泡も艶やかです。

 パンやお菓子は焼き立てをすぐに食べるのはお勧めでないのですが、このフランスパンだけは例外です。オーブンから出してまだ熱いうちに頬ばります。

 日本の小麦から作られた粉のうまさも今回再認識しました。奥深いコクに欠けるのでフランスの小麦から作った粉を配合します。

 小さな自分だけのフランスパンです。おそらくこの30年で失敗したフランスパンの数は100本を下りません。酵母は生きています。生き物相手で日々教えられることもたくさんです。あと2時間もしたら今日のパンが焼き上がります。

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ダッフルコート

2020年01月15日 | 身の回りのもの

曇、4度、57%

 街を歩く人を見ると子供からお年寄りまで寒くなるとダウンのジャケットを着ています。お安く手に入るようになって以来、冬の防寒着の主流になって来た感があります。軽くて、暖かい、手頃なお値段。いえ、高級なダウンだってみなさんお召しです。

 昨年の衣替え、出してきたダッフルコートを見て思いました。いよいよ始末しようかな?何分にも重いコートです。色は紺。黒のコートは冠婚葬祭で必要ですからとって置くつもりです。このダッフルコートも古いものです。20数年は着ています。オーソドックスな作りで、留め具は象牙です。求めた当初はこのコートの下にスーツを着ていました。だんだん服装の傾向が変わって、一度お直しをしてもらっています。肩幅、そで丈、脇も詰めてもらいました。セーターの上に着てピッタリと身体に馴染みます。

 始末するつもりで、思い切りよく捨てるもののカゴに入れました。衣類回収の日の朝、出して来てちょっと羽織って鏡の前に立ちました。体格が小さな私ですが、このしっかりとしたコートが一番似合うかもしれません。襟にファーがついたマントより軽い暖かなダウンより毛足の長いイタリアのコートよりこのダッフルがスタイルからして似合うように思います。またハンガーにかけてワードローブに仕舞いました。仕舞いながら、重いだけではないことに今一度気付きます。ワードローブの場所を大きく取るコートです。ワンピース3枚分の幅を占めます。それでも残すことに決めました。

 昨日、いよいよ寒い1日となりました。ダッフルコートの出番です。着た途端、「あっ、重い。」と感じます。それでも着慣れたコートは顔映りもよく、鏡に向かってニッ。昔は着るものの重量が1キロ増えると1度体感温度が上がると言われていましたが、新繊維の発達のおかげで昔の言い草になりました。歩きながらコートを見るとあれ、ココさんの毛が付いています。ダウンを着慣れるとココさんの毛の処理を忘れて出かけます。やれやれ、手がかかるコートです。年齢とともに軽くて暖かな衣類が好もしい、でもたまにはカチッとしたウールのコートは気持ちに張りをくれます。あと何年このダッフルコートに袖を通すのかな。

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クリスマスローズが咲きました。

2020年01月14日 | 

小雨、6度、78%

 日本に戻ったら庭に植えたいと思っていた草花の筆頭がクリスマスローズでした。なぜでしょうね。下向き加減に咲くこの花に惹かれるのは。30年近く前に刺繍で刺した花がクリスマスローズでした。まだ日本ではそんなに知られていない花でした。帰国前。厚かましい私は友人に庭のクリスマスローズを分けて欲しいと頼みました。帰国後すぐにいただいた単衣の紫と白のクリスマスローズは小さいながらも花をつけました。想像していた風情です。

 昨年、1年物の苗を買いました。「今年の花は望めませんよ。」と園芸店のお兄さん。丸々1年待ちました。最初に咲いたのは、 一年も待ったので自分でもどんなクリスマスローズを買ったのか忘れています。最近本などで紹介されているクリスマスローズは改良された華やかなものになっています。花の色も花弁の形もひっそりというより豪華です。私が求めたのは八重咲きのクリスマスローズのようです。次に咲いたのも八重咲きの私の好きなグリーンの花でした。写真を撮るときは地面に寝そべるようにして下から撮ります。

 このふた株の横に古くからの一重のクリスマスローズが植わっています。新しい葉が勢いよく花芽を付けるのももうすぐなはずです。裏庭はローズマリーの小さな紫の花が咲いていますが華やかではありません。一番奥に一つポツンとバラが咲きました。 春と違い色は薄いのですがその香りのいいこと。春咲きの球根の芽もあちこちに土を持ち上げて来始めています。暖かな冬です。植物達の動きにも異変があるかもしれません。庭を見ていると間違いない季節の巡りを感じます。

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ココさんと猫たち

2020年01月13日 | ここ

晴、8度、66%

 数日前、夜中に大雨と強風が吹きました。風のビューっという音を聞いたのは久しぶりです。朝になっても風は吹き続けていました。カーテンを開けると、裏の庭はモチノキの落ち葉でいっぱいです。風が強かったので下の道にも落ち葉が溜まっています。午後遅くなって風が止むのを待って落ち葉を集め始めました。

 南風だったのか暖かな午後でした。大きなモチノキですから落ち葉も、落とした面積もかなりのものです。座敷側の庭にも積もるように落ちています。ココさんも暖かさにつられて一緒に庭にいました。 この境から手前は座敷の庭で枝折戸で閉ざされています。座敷側はココさんは立ち入り禁止ですので、いつもこの境で私の仕事を見ています。

 寒くなり始めて気付いたことがありました。昨年の春、近所で子猫が4匹生まれました。4匹とも全く違う毛並みです。そのうちの3匹が座敷の縁側の下の出入りしています。寒さをしのぐためでしょう。私の姿を見ると急いで縁側の下に走り込みます。この猫達が我が家の庭にフンをします。野良猫ですが体格もよく、よく太っています。近所の方が毎日餌をあげている姿が見られます。餌はそちらでもらい、宿は我が家の縁側の下という猫達です。真っ黒な1匹はいつ頃からか姿を見ません。今では3匹になっています。

 寒さや雨を凌ぐだけならと、猫達の出入りを黙って眺めていました。私の姿に慣れてきたのか、落ち葉をかき集めていると、 一番懐いている方は、 私が近寄ってもじっと目を見つめて動きません。

 ココさん、きっと猫さんの匂いがしたのでしょう。さっきまで寄りかかっていた場所から移動してクンクンと鼻先を動かしていますが、猫の姿を見つけることができません。猫達とココさんの距離わずか1メートルです。

 猫が縁側の下を住処にし始めて、庭にフンをすることが少なくなりました。ただ心配なことがあります。3匹の雌雄を確認していないのですが、この春また子猫が生まれるかもしれません。頭が痛いけれど、雨や風を我が家で凌いでくれればと思います。ココさん、庭を闊歩する猫を見ても「ワン」とも鳴かないのはなぜでしょうね。

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ちょっといい話、2つ

2020年01月12日 | 日々のこと

曇り、10度、74%

 年末も押し迫った早朝のことでした。いつものように大濠公園に向かって走りその帰路のことです。クリスマスからこっちは早朝でも酔人がフラフラ、用心しながら走ります。前方に若い男性2人、一人は自転車を押して肩を並べて歩いています。私が5メートル程まで近づいた時、ちょうど彼らは交差点で別れるところでした。話し声が聞こえます。「じゃあ来年。」と二人は手をあげました。その後自転車の青年が「寒くないかい?」と声をかけながら自転車をまたぎました。自転車の青年は私に気付いていませんでした。自転車は大きく回って私に近付きました。何となくそれを想定していた私は、身を避けるように道の端を走りました。近づく自転車に「あら!」と声を出したように思います。自転車の青年「すみません。」と私と同じ方向に走り出しましたが、「大丈夫ですか?」と速度を落として私の横を走ります。「早くから走るんですね?」「どのくらい走ってるんですか?」そんな話をしながら5分ほど自転車と私は並んで走りました。街灯は灯っていますが昼間ではありません。顔がはっきり見えるわけではありません。私が62歳だと告げるとびっくりした様子です。3辻のところで「僕、あちらですから。」と手を上げました。その青年に向かって「同じ年代の友人に寒くないかい?と声をかけるなんていい人だなあって思ったのよ。一緒に走ってくれてありがとう。楽しかったわ。」と私は応えました。ちょっと照れたように走り去って行きました。

 きっともう2度と会うこともないと思います。友人を気遣う様子や私への気配りなど本当に短い時間でしたが、「いい青年に会ったなあ。」と胸にポッと火が灯りました。

 

 もう一つ、年も明けて街に買い物に出かけました。昨年で懲りていますから、「初売り、福袋」の時期を過ぎてのことです。車の量も平常、いつもの交差点では渋滞で長い信号待ちをします。前の横断歩道を信号が青に変わるのを待っていた歩行者に紛れて自転車が一台出てきました。高めの自転車にすっと足を掛けて滑り出したのは私より年上と思われる婦人でした。軽装にリュック姿。パーマなしのショートヘヤーはグレーで化粧っ気はありません。自転車に乗った姿の美しいこと!はっと目を見開くほどでした。私の横を抜けるときの横顔も凛としています。思わず「素敵な人だわ。」とつぶやきました。そして、走り去って行くその婦人と自転車をずっとバックミラーで追いました。

 福岡の街は老人のヨタヨタな自転車が多く走っています。自転車が走っていることのない香港での運転からすると気が気ではありません。この婦人、自転車に乗り慣れているというよりまるでレースにでも出るかのような軽快さでした。服装だって地味で目立ちはしません。体が軽やかで目が涼しげな人でした。「あんな風になれたらいいなあ。」と自分に引き比べます。

 この10日ほどの間で私の記憶と心に残った、いい話です。

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