雨、10度、74%
帰国してこの3年、庭のここそこに球根を植えました。香港では見られなかった球根の花です。秋植えると春に咲きます。春に植えると秋に咲きます。中には球根を掘り返さないでそのまま土の中で夏を越したり冬を越したりさせます。つまり植えっ放しです。すると何処に何を植えていたのかよく忘れます。別の種蒔きをしていて球根が土にあるのを発見することもあります。
チューリップの堅い芽が土を持ち上げるようになると、私の目は毎朝土の上を観察し始めます。チューリップばかりではありません。優しい水仙の芽、クロッカスの小さいけど元気な芽、中には何だろう?という芽。一番先に花を付けるのはどれかなと楽しみます。
今年の一番乗りは、 「スノードロップ」でした。ルッコラの間から花姿を見せました。この釣鐘状の白い花、花元のグリーンとのコントラストが美しいと思います。ヨーロッパでも「春を告げる花」として親しまれていると聞きます。我が家でも春を告げてくれました。
その翌日咲いたのが、水仙の一種、「パルコディウム」です。「ペチコート水仙」とも呼ばれている小さな品種の水仙です。たった一輪でもその鮮やかなイエローは間違いなく春の訪れを感じさせてくれます。植え付けた翌年の「パルコディウム」はいい花をつけませんでした。今年は小粒ながら姿の優しい花を付けました。
今年の福岡は雪が降りません。雪になり切らずに雨ばかりよく降ります。気温も高めだそうです。でも「スノードロップ」が花を付けたのも昨年と同じ日でした。外界の気象変化があっても植物たちはちゃんと不思議な時計を持っているかのように時を違わずに挨拶してくれます。さあ、お次は何が咲くのかしら?今日も雨の中、地面とにらめっこです。