猛暑日には幽霊の話しが一番。
谷中の全生庵で円朝師匠が蒐集した幽霊画を見に行ったのはいつだっただろうか。ブログ記事を調べてみると、2年前の8月のお盆のときだった。そのときは、50ほどの軸がお寺の本堂に掛けてあり、応挙の幽霊をはじめ、大御所クラスでは広重、暁斎、芳年のものも、珍しいところでは、高橋由一の”幽霊無実”なんてえーのがあった、と落語家口調で書いている(くわしくはこちらへ)。
今回、芸大美術館で開催されている”うらめえしや~/冥途のみやげ展”は、この円朝コレクションの幽霊画が中心で、後半に”うらみの系譜”として、錦絵や近代絵画の名作という構図である。
円朝コレクションは前後期合せて、50点だから、2年前に見たものとほぼ重なると思う。前述の画家の作品はすべて展示リストに入っている。ということで、個々の幽霊画の感想はすでに済んでいるということで、ちらしの幽霊画写真をまとめて掲載し、みなさんを怖がらせて、終わりにしたい(笑)。
幽霊画全集 左端が応挙の幽霊、その隣りが暁斎の幽霊です。曽我蕭白もいますが、さてどれでしょうか、これは幽霊というより美人画ですがね(笑)。
そして、後半、”錦絵によるうらみの系譜”では、七月大歌舞伎の演目にもなった”怪談牡丹燈籠”を豊原国周が。お岩さん百物語、こはだ小平治の北斎。国芳は、お岩さん二題からはじまって、浅倉当吾亡霊、崇徳院などずらりと並ぶ。弟子の月岡芳年も和漢百物語・清姫、平惟茂戸隠山鬼女退治の図など。
ついでながら、下図は、一昨年(2013年)、幽霊画展三館制覇したときのちらし3枚綴りです(汗)。冒頭述べた、全生庵の幽霊画展も同じ年だから、それも含めると四冠王(大汗)。真ん中の可愛いお岩さん(百物語)が北斎のです。
そして、終盤は”うらみが美に変わるとき”。ここで、ちらしの表紙絵を飾る、待ってました!松園さん! と、くるところだが、顔を出すのは、会期の最終盤9月1日から2週間だけ。お隣りのトーハク所蔵なのに、ケチんぼ!でも、ぼくはトーハクで何度もみているからかまわない。その代り、久しぶりだなお富さんじゃないけど、松岡映丘の”伊香保の沼”も、清方さんの、重文”三遊亭円朝像”もみられたし、大満足。
三遊亭円朝像(鏑木清方)
松園さんの”焔”は最終盤まで出ません。うらめしや~
ギフトショップは、冥途のみやげさんに変身!店員さんも幽霊の恰好をしていた。
楽しい展覧会でした。
今日は、六本木で藤田の陽変天目茶碗をみてから、神楽坂の飲み会に廻ろうかな。