丹生の水銀(辰砂)鉱跡を見てきました。
道路から山裾の間の道をわずかに入っただけなのに、
空気がひんやり冷たい。
現在見る事が出来るのは、
昭和30年代の短い期間、
辰砂を掘るために作られた、2つの坑道の入り口と、
すぐそばに設置された、辰砂から水銀を取り出すための精錬装置だけですが、
かつて、この辺りの山には、
500もの坑道が掘られて、
奈良時代から、江戸時代の初めころまで、長い期間にわたって、
膨大な量の辰砂を掘り出し、水銀を精錬していたそうです。
辰砂は赤い石です。
流れる水の色が、普通の山の茶色っぽい赤土より更に赤い。
大昔、長い杖を携えた山師(修験者)たちは、赤い土や赤い水を、
水銀や金の在処を探る指標にしたかもしれません。
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ネットに、現在のベネズエラ(アマゾン流域)の砂金取りのレポートと写真がありました。
一部、転載します。
『写真で見る「水銀を使って金を抽出する方法」、これが水銀汚染の実態だ!』
1)砂金を得るために、川底の砂をバケツにすくう
2)金を吸着する水銀を手にとり、バケツの中の泥水と混ぜる
3)金を吸着した水銀はバケツから取り出し、バケツの底に残った水銀はそのまま川に捨てる
(水銀は水生生物の体内で濃縮され、最終的に地域住民の食料となる)
4)バケツから取り出した金を吸着した水銀はフライパンの上で薄く広げ、たき火で熱する
5)水銀は蒸発し、金だけがフライパンに残る(フライパンを握る者はそのあいだ、水銀の蒸気にさらされ続ける)
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日本でも(佐渡などでも)同じような方法で、水銀を使って金を取り出していたのではないでしょうか。
大仏の金メッキは水銀に溶かした溶液を、銅の仏像に塗り、
蝋燭を使って、水銀を蒸発させ金を定着させる、という方法だったそうです。
魚を通して人体に取り込まれたメチル水銀 は腸管から、
金属水銀蒸気は肺から侵入し、強い毒性を発揮します(水俣病)。