9月10日 (月)
ゆっくり朝寝坊をして、レストランに行くと、もうほとんど誰もいなかった。
お祭りも終わり、他の観光客は皆朝早く発ったようだった。
城壁内に住む住民は4,000人ほどらしいが、
生活に必要な施設はこの中になく、病院、郵便局、警察、
スーパーマーケットなどは全て城壁外にあるらしい。
そういえば、ホテルの横に近代的なショッピングモールがあり、
その中にスーパーマーケットや洋品店、
郵便局、パン屋、生肉店などがあった。
観光地区と住民の生活の場所を徹底的に分けているというのは、
あまり例がないのではないだろうか。
そこに住む人達にとっては、いろいろな制約があり、
不便なことも多いに違いないが、
毎日平均1,000人ほどの観光客が集まるという理由がよく分る。
今日も城壁内に出かけた。
マルクト広場のこの写真の一番左側の建物の
正面にからくり時計があった。
毎年、聖霊降誕祭や秋祭りなどで、
三十年戦争のローテンブルクを舞台とした芝居
「市参事会酒宴場のマイスタートゥルンク」が上演され、
老市長ヌッシュが3リットルものワインを見事に飲み干し、
町は救われたという、
実際に起こった出来事が、そのまま劇になったもので、
このからくり時計の中の人物はヌッシュと言われている。
昨日、街角で上演されていたのもこのお芝居だったのだ。
出かける前にもっと勉強をしておけば良かったのに、
出かける間際までバタバタと忙しく、何も調べずに過ごしていたので、
帰って来てから、ああ・・・そんなことだったのかと気付かされ、後の祭り!
さて、気を取り直して・・・
市内をぐるりと取り囲む城壁に登ると、屋根がめぐらされており、
回廊は、太った人とすれ違う時、お腹が邪魔に見えるほど細かった。
眼下には屋根、屋根・・・
「甍(いらか)の波と 雲の波♪♪」思わず歌が出る。
驚いたことに、洋介さんは「こいのぼり」の歌を知らなかった。
甍・・は屋根の背、屋根の煉瓦。
この回廊の上の煉瓦の裏側を見ると
日本の煉瓦の重ね方とは、全く造り方が違うのだと思った。
回廊を降りて、変わった門?(名前が分らない)をくぐったり、
遠方の景色を見たり、
教会で厳かなひとときを過ごしたり、
街角でのんびりミルクセーキを飲んだり、
(ほとんど生クリームばかりでがっかり)
市庁舎の52メートルの鐘楼の最高部まで登りたい
と言う二人に付いて行けず、
下で待つ間、アメリカのフィラデルフィアから来たと言う老夫妻と
身振り手振りで話したり、
祭りの後の静けさを堪能した一日だった。
付録
上まで登った夫から見せてもらったすばらしい写真を追加。
こんなに細い急な階段を登ると、鐘があり、
眼下にはすばらしい景色、美しい屋根の波が・・・・
やっぱり、一緒に登ればよかった!