9月14日(土) (マドリッド4日目)
昨夜は夜中まで再会を祝ったようだった。
朝、レストランに行くと、洋介君と諒君がやって来た。
正一郎君はもうすでに出かけたらしく、
サッカーの大好きな諒くんは、
これからレアル・マドリッドの
スタジアム見学に出かけると言った。
夫と洋介君は海洋博物館や公園に出かけ、
私は部屋でのんびりと過ごすことにした。
3時から、世界遺産のトレドに
皆揃って4時間半のバス旅行に出かける。
「スペインに一日しかいられない場合はトレドに行け!」
と言われるほど美しい町で、ギリシャ生まれの
宮廷画家として活躍したエル・グレコがこの町を愛し、
後半生を送った頃のたたずまいを今も残しているそうだ。
1561年に首都がマドリッドに移るまで、
政治、経済の重要な拠点として繁栄していて、
711年から400年に渡って
イスラム教徒の支配下に置かれており、
その後、1492年に
カトリック教徒がこの地を支配するようになった後も、
この地の経済を握っていたユダヤ人と共に
多くのイスラム教徒が居残ったという。
キリスト、ユダヤ、イスラムが融合した、
不思議な雰囲気があった。
初めにサント・トメ教会に向かった。
とても小さな教会だが、エル・グレコ
(El Greco、1541~1614年)の傑作の一つとされている
「オルガス伯の埋葬」があることで知られている。
この絵が世界三大名画に選ばれ、
一時はこの絵を見るための観光客が増え、
信者達の祈りの場所がなくなってしまうという
大問題が起きたそうだ。
現在は祈りの場所との仕切りが設けられ、
我々もガイドさんの説明を聞きながら、
ゆっくり鑑賞することが出来、
なぜここがこれほど大切にされているのかよく理解出来た。
次に「ダマスキナード」という象嵌細工の店に立ち寄った。
象は「かたどる」、嵌は「はめる」という意味があり
一つの素材に異質の素材を嵌め込んで作るらしい。
店内では職人達が細かい作業を見せてくれ、
店頭では金で細工の施された商品が並び、
本当にすばらしいと感心したが、
値段が私の財布(夫?)と折り合わず、何も買えなかった。
しかし、お金持ちはたくさんいるらしい・・・
何人かうれしそうにお土産の包みを持っていた。
次に訪れたカテドラルはスペイン・ゴシック様式の大聖堂で、
フェルナンド3世の命によって1226年に建設が始められ、
1493年に完成したが、その後、時代に応じて増改築され、
オリジナルの部分は少なくなっているという。
教会は大きく三つに分かれており、
カテドラルは都市部に置かれた重要度の高い、大きな教会で、
大聖堂を意味し、次に普通規模の教会はイグレシア、
人里離れた小さな礼拝堂はエルミータと言うらしい。
このカテドラルは名の通り豪華絢爛、
200kgに及ぶ金、銀、宝石の聖体顕示台が置かれ、
その一部にはコロンブスが
アメリカから持ち帰った金が使われているという。
さて、あちこち見とれていると大変!
三方をタホ川に囲まれ、町全体が要塞になっているので、
しっかりガイドさんに付いて行かないと、
今来た道も分らなくなってしまう。
橋の両側に敵が侵入出来ないよう、検問所が設けられ、
上から煮え湯や石を落としていたが、
それでもかいくぐって入って来た敵は、
迷路のように張り巡らされた道に迷い、
結局は城にたどり着けなかったという。
ヨーロッパの旧市街はこのような造りになっている所が多いが、
特に、11~2年前、ベルギーのブルージュで、夫と二人、
散々歩いて、最後まで目的地に着けなかったことを思い出した。
そして・・・・気になったことが一つある。
16世紀の町がそのまま残っているということは・・・
下水の処理などはどうなっているのだろう。
大きな処理施設がどこかにあるのだろうか・・・
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