2024年1月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2874ページ
ナイス数:724ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/1
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2874ページ
ナイス数:724ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/1
■その扉をたたく音 (集英社文庫)
はたして瀬尾さんは朝ドラ『ブギウギ』のヒットを見越して本作をお書きになっていたのか。主人公の宮路は全くもってアカン奴。29歳無職で資産家の親のスネを齧り、「仕事がカネのためならば、俺は働く必要がない」などとのたまう。老人ホームで働く渡部のサックスに魅了されたのはいいとして、自分だけの都合で渡部を振り回そうとします。だけどまるで振り回されない渡部が凄くイイ。宮路のことが好きになれずに読むのをやめたくなるところ、瀬尾さんだもの、最後はちょっといい奴になって泣かされることが目に見えている。私の心も揺さぶられる。
読了日:01月01日 著者:瀬尾 まいこ
https://bookmeter.com/books/21644016
はたして瀬尾さんは朝ドラ『ブギウギ』のヒットを見越して本作をお書きになっていたのか。主人公の宮路は全くもってアカン奴。29歳無職で資産家の親のスネを齧り、「仕事がカネのためならば、俺は働く必要がない」などとのたまう。老人ホームで働く渡部のサックスに魅了されたのはいいとして、自分だけの都合で渡部を振り回そうとします。だけどまるで振り回されない渡部が凄くイイ。宮路のことが好きになれずに読むのをやめたくなるところ、瀬尾さんだもの、最後はちょっといい奴になって泣かされることが目に見えている。私の心も揺さぶられる。
読了日:01月01日 著者:瀬尾 まいこ
https://bookmeter.com/books/21644016
■神戸怪談 (竹書房怪談文庫 HO 639)
阪急六甲駅前の書店で平積みされているのが目に入り、即座に手に取りました。怖いか怖くないかと聞かれたら、ホラーにあまり耐性のない私でも怖くない。どちらかといえば怪談としてよりもガイドブック的に読むほうが良いかと。何しろいちばん怖かったのは、登場人物の姓は鈴木さんのはずだったのにいつのまにか佐藤さんになってまた戻ること。入り乱れる鈴木さんと佐藤さんに、私の頭がおかしくなったのかと思って、その章だけは三度見ぐらいしました(笑)。三宮のセンター街を落武者が歩いているのを想像すると笑ってしまう。笑ったら祟られる!?
読了日:01月04日 著者:田中 俊行
https://bookmeter.com/books/21440780
■ルポ 国際ロマンス詐欺 (小学館新書 452)
インスタをやっていると、ちょっとネオンが綺麗なぐらいの画像に「これはどこで撮ったのですか」とコメントが付く。それだけではまだ怪しい人かどうかわからないから、どこそこで撮りましたと返信すると、途端に怪しい人まるだしに。あなたは写真を撮るのが上手、いろいろ教えてほしい、フォローし合いましょう。アホか、誰が乗るか。と思っていたけれど、乗ってしまう人がこんなにもいるのですね。そういうことかとは思わない。DV親父に金を借りてまで何百万と払うのはやっぱり不思議。ナイジェリアの若者の8割は詐欺で稼ぐって、目が点になる。
読了日:01月06日 著者:水谷 竹秀
https://bookmeter.com/books/21265987
■グランドシャトー (文春文庫 た 95-3)
大阪人なら、行ったことはなくとも名前は知っている京橋グランシャトー。「グランシャトー」やなくて「グランドシャトー」やったん!?と驚きましたが、実存するのは前者ですよね。どこまでがホンマなんですか。この著者のことだから、きっとモデルがいらっしゃいましょう。いわゆるお勉強はでけんでも、人生の機微を知る人たちがここにおる。ルーと共に何十年という時を私も過ごしたような気分になりました。すべての光景を思い浮かべることができるからこそ浸れる小説だという気もして、大阪人以外の人が読んでも面白いのかどうかは聞いてみたい。
読了日:01月14日 著者:高殿 円
https://bookmeter.com/books/20418565
■灼熱 (PHP文芸文庫)
帯の「一気読み必至」はホント。同著者の作品の中ではあまり好きだと思えなかったにもかかわらず、どうなるのかが読めなくて途中で止まれませんでした。自分の夫を殺したとおぼしき男に復讐するために、顔を変えてまで近づいて結婚する。でも相手の男はどうやらそれに気づいているらしい。怖っ。しかしその後は意外な展開。意外すぎてしばし目が点になりました。「ほおっ」というよりは「そんなん、あり!?」の気持ちのほうが本作に関しては強い。いつもの、かなりどんよりさせられる嫌ミスのほうが好きかもしれません。って、性格が悪いか(笑)。
読了日:01月15日 著者:秋吉 理香子
https://bookmeter.com/books/19773017
■ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)
文庫化された直後に読んでいるはずなのですが、当時は読メなし。先週映画版を観て申し訳なくも私は興ざめしてしまったため、原作は果たしてどんなだっただろうと再読(たぶん)することにしました。少なくとも私の思う東野圭吾ではないような。30年前ってこんな感じでしたっけ。登場人物の口調なども含めて好きになれる人は見当たらず、「私のせいよ」「いいえ私よ」みたいな応酬に「茶番だ!」と言いたくなりました。重岡くんをキャスティングしたのは面白いけど、原作とはかけ離れる。あの頃は、東野圭吾も若かった。そうさ私も若かった(笑)。
読了日:01月17日 著者:東野 圭吾
https://bookmeter.com/books/577402
■魔邸 (角川ホラー文庫)
怖がりのくせして好奇心に負けて読んでしまうホラー小説。三津田信三作品は特にお気に入りです。これまで読んだ中で私がいちばんビビった三津田作品は、『ついてくるもの』に収録されている「八幡藪知らず」でした。母親が再婚し、継父の海外赴任でひとり日本に残されることになった少年が預けられたのは、神隠しが噂される森近くの屋敷。「森」と聞いて八幡の藪を思い出し、背筋がぞわっとしたものの、追いかけられる怖さはあっちのほうが上。単なるホラーではなくて、幽霊も出るけどミステリー。最後の一文でものすごい嫌ミスになりました(泣)。
読了日:01月19日 著者:三津田 信三
https://bookmeter.com/books/16853515
■超短編! 大どんでん返し Special (小学館文庫 ん 2-2)
34人が1話4頁ずつ。ものすごくとっつきやすい。お目当ての作家もいれば、お初の作家に会えるのもこの手の本の良いところ。しかし、おそらくこのシリーズはいずれもそうだったかと記憶していますが、痛快爽快などんでん返しはほぼなくて、嫌ミス的などんでん返しばかりゆえ、少々どんよりします。想像したくないオチのものもあったりするけれど、軽いおかげで後を引くことはありません。タイトルひとつ取ってもセンスが感じられて、センスのない私は脱帽です。今年こそいっぱい本を読みたいから、月末あと読了冊数を稼ぎたいときにピッタリか。
読了日:01月23日 著者:
https://bookmeter.com/books/21641463
■うるはしみにくし あなたのともだち (双葉文庫 さ 50-02)
ルッキズムという言葉を頻繁に見かけるようになりました。私ももっと可愛く生まれたかったな〜とは思うけど、そんなのどうでもよい歳にもなりました(笑)。もしも自分がこんな力を使えるなら、身近にいる美人がブスになりますようにと祈るでしょうか。それとも、自分が美人になりますようにと祈るでしょうか。きっと後者だけど、それは叶わないというルールだなんて。終盤までいったい誰が犯人かわからず、引っ張られます。わかってみると、そんなもんかという思い。途中まで凄く面白かったけど、最後はちょっと無理くりの感が否めません。(^^;
読了日:01月27日 著者:澤村 伊智
https://bookmeter.com/books/21394070
■特殊清掃 (ディスカヴァー携書)
少なくとも私のまわりには映画『ヘドローバ』を観た人は私を除いていません。怪しげな新興宗教の信者に住まわせているアパートで自殺者が出るとそれを片付けるまさに特殊清掃人が描かれていました。誰にも薦めたくないほど不愉快極まりない作品で(すみません)、本作を読む前はあんな世界を想像していました。でもこの著者は亡くなった人に敬意を払っているのがわかります。凄絶な最期を迎えたであろう人の尊厳を守る。昨年観た香港映画『星くずの片隅で』の1シーンを思い出しました。人はいつ死ぬかわからない。「ありがとう」の気持ちを大切に。
読了日:01月30日 著者:特掃隊長
https://bookmeter.com/books/8286824