夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ニューヨーク 冬物語』

2014年05月22日 | 映画(な行)
『ニューヨーク 冬物語』(原題:Winter's Tale)
監督:アキヴァ・ゴールズマン
出演:コリン・ファレル,ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ,ジェニファー・コネリー,
   ウィリアム・ハート,エヴァ・マリー・セイント,ラッセル・クロウ,ウィル・スミス他

大阪ステーションシティシネマで3本ハシゴの2本目。

『タイガーランド』(2000)で惚れそうになったコリン・ファレル
悪童のイメージが強い彼も気がつけば38歳。
個人的にはまだまだサスペンスアクション系に出演してほしいのですが、
こんなラブストーリーもたまにはええか。

20世紀初頭、青年ピーターは、ギャングのボスであるパーリーの下で頭角を現す。
かつて、結核に罹った両親が、息子だけでも異なる土地で生き延びてほしいとピーターを小舟に乗せた。
それを拾ってくれたのがパーリーだったが、
金銭を強奪するためなら人を殺すこともなんら厭わないやり方に、
ピーターは疑問を感じてギャング団を抜け出すと決める。

1916年のニューヨーク。
パーリーから逃れようとしたピーターが追い詰められたとき、
ピーターの目の前に1頭の白馬が現れる。
白馬のせいでピーターを取り逃がし、パーリーは苦り切った顔。

ほとぼりが冷めるまでどこかに隠れていようと、
ピーターは生活するための盗みを少々働いたあと、町を出ようとするが、
なぜか1軒の家の前で白馬が止まったまま動こうとしない。
この家で泥棒せよということなのかと渋々ピーターは押し入る。

留守宅かと思われたが、家の中には1人の美しい女性ベバリーが。
家族は休暇で北の別荘に出かけていたが、彼女は結核に罹っているため、
別荘の用意が整ってから出向くことになっていたのだ。

ピーターは泥棒に入ったことを正直に告白、
そして彼女に会った今、何も盗む気がないと告げる。
泥棒ピーターをお茶でもてなすベバリー。

こうしてたちまち恋に落ちるふたり。
パーリーはピーターの弱点を見つけたとばかりにベバリー拉致を計画。
すんでのところで町を出たはずのピーターが戻ってきて……。

こんな大人向けの直球ファンタジーも最近珍しいのでは。
クラシックな恋愛ものかと思いきや、SF仕立て。
ラッセル・クロウ演じるパーリーはどうやら堕天使らしく、何百年も生きつづける悪魔です。
彼らの世界には掟があり、北に逃げ込んだピーターには手を出すことができません。
掟を破ってピーターを捕らえるためには魔王に特例を認めてもらわねばならず、
この魔王ルシファー役がウィル・スミス。さりげなく凝ったつくりがおもしろい。

パーリーに殴打され、橋の上から投げ落とされたピーターは、
記憶を失ったまま、年を取ることなく2014年に。
セントラルパークで癌に冒された少女と出会ったのをきっかけに、
少しずつ記憶が戻ってきます。
彼に手を貸すのがアビーの母親バージニアで、ジェニファー・コネリーが演じています。

100年そのままの姿で生きられるわけがありませんが、
ベバリーの幼い妹だったウィラがピーターに再会し、動揺もせずに喜ぶ姿が感動的。
老女となったウィラを演じるエヴァ・マリー・セイント、さすが名女優。
年を取ればどんなことにも驚かない、信じられる、それは本当かもしれないと思えます。

コリン・ファレルの髪型だけがなんか変で受け入れがたいけど、
それ以外はまぁよかったかと。

どんな命にも等しく価値があり、役割のない命はない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする