夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子』

2014年09月05日 | 映画(か行)
『グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子』(原題:De Toutes nos Force)
監督:ニルス・タヴェルニエ
出演:ジャック・ガンブラン,アレクサンドラ・ラミー,ファビアン・エロー,
   ソフィー・ドゥ・フュアスト,パブロ・ポーリー,グザヴィエ・マチュー他

前述の『わたしは生きていける』の終映が11:25。
本作の上映開始が11:20、しかもTOHOシネマズ梅田別館アネックスにて。
いつもはエンドロールが終わるまで席を立ちませんが、今回は致し方なし。
『わたしは生きていける』のエンドロールが始まると同時に席を立ってトイレへ。
用を足して別館に駆け込みました。まだ予告編の半ば、余裕でセーフ。
もちろん出入り口すぐ近くの端っこ席です。

そういえば、こんな無謀なスケジュール組みの話をしたときに、
同僚が「予告編の途中で慌てて入場してくる人って、そういうことだったんですね」と言っていましたが、
んなこたぁないでしょう。こんな組み方をするアホは稀だと思うんですけれど。

ついでに、この日まで、TOHOシネマズで座席をネット予約するさいに、
いつも「クレジット決済」を選んで楽天カードを使っていました。
クレジット決済の隣にある「楽天あんしん支払いサービス」にも気づいていたのに、
なんだかややこしそうだからと利用したことがなかったのですが、
なんだ~、凄く簡単なうえにめちゃお得。
これが利用できるなら、前売り券未購入の作品を割引のない日に観たくなったとき、
楽天スーパーポイントを使って激安で観られるだなんて。
ちょうどこの日に切れるスーパーポイントがあり、本作は800円で観ました。

余談が長くなりました。

『田舎の日曜日』(1984)や『ラウンド・ミッドナイト』(1986)のフランス人監督、
ベルトラン・タヴェルニエ監督の息子で、
ドキュメンタリーを中心に手がけてきたニルス・タヴェルニエ監督による作品。
予告編を観るかぎりではお涙頂戴ガンガン路線という可能性もあり、
どうなんだろうと思いつつ観はじめました。

生まれたときから四肢に障害を持ち、車椅子生活を送る青年ジュリアン。
父親のポールはロープウェーの技師として世界中を飛び回り、留守がちだったが、
このたびリストラに遭って自宅へ帰ってくることに。
父親との久々の再会を楽しみにしているジュリアンだったが、
ポールはジュリアンに声をかけようともしない。
ほとんどひとりで息子をみてきた母親クレールは歯がゆくて仕方がない。

父親にこちらを向いてほしい。
そう願うジュリアンは、父親がかつてトライアスロンの出場者だったことを知る。
そこでジュリアンが思いついたのは、“アイアンマンレース”に親子で挑戦するというもの。
トライアスロンの中でも最難関のこのレースに出場したいと息子から唐突に言われ、
ポールは「無理だ」と一蹴するが、ジュリアンはめげない。
息子の熱意に押し切られる形でポールは出場を決意。
8カ月後のレースに向けた猛特訓をふたりで開始するのだが……。

過去に出場経験があるとはいえ、今はジョギングする程度のオッサンと、
何の訓練もしてこなかった障害ある17歳男子が、
遠泳3.8km、チャリ180km、マラソン42.195kmを制限時間17時間以内で」とは、
何カ月間かのトレーニングでは到底無理だろうと思うけれど、
そこはあくまでフィクション、映画ですから置いておくとして。

車椅子の障害者を描いた作品ですぐに思い浮かぶのは『抱きしめたい 真実の物語』
このブログを以前からお読みいただいている方ならば、
「また出た!どんだけ嫌いやねん」と突っ込んでくださるかもしれませんが(笑)、
あれと決定的にちがうのは、ユーモアに溢れているということ。
障害者の状況を「辛いの、苦しいの、頑張ってるの」と前面(全面!?)に押し出すことなく、
ジュリアンがいけ好かないオバハンには中指を立てて見せたり、
ジュリアンの親友で同じく障害を持つヨアンが自転車テクを披露して
「器用な障害者ってどうなのよ」みたいな台詞でサラリと笑わせたり。

こうして笑わせてくれたかと思いきや、
出場を認めないポールに「うん」と言わせるために、
ジュリアンの友人たちが一致団結して泣かせてくれます。
泳ぐ、自転車を漕ぐ、走る、すべて彼ら彼女らの夢。
それを頭から無理だと決めつけないでとの台詞に、そうだよなぁ、私だって、
何カ月間のトレーニングで無理でしょと決めつけてるよなぁと反省。

ジュリアンを見守るクレールとジュリアンの姉ソフィーの姿に、
またしても「この世界に弱い女なんかいない」という一文を思い出しました。

これで泣けと言わんばかりのゴールシーンではなく、
ちょい控えめなのも好印象です。

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