『最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション』(原題:The Final Member)
監督:ジョナ・ベッカー,ザック・マス
箕面で『ジュラシック・ワールド』を観て、美容院へ行って、
その後わざわざ梅田へ出たのは本作を観るため。
『野火』と『Mr.タスク』でちがう種類の「愕然」を感じ、
シネ・リーブル梅田で21:05から、レイトショーのみの上映の本作を待ちました。
この時間に私が梅田で映画を観ることはそうそうなくて、
ほかの作品にどれくらい客が入るのか想像もつきませんが、
本作の客の入りは『劇場版 BiSキャノンボール 2014』には負けるけどそこそこかと。
2012年のカナダのドキュメンタリー作品。
入場者には熱海秘宝館の入館割引券付きリーフレットが配布されています。
アイスランド北部の小さな港町フーサヴィークは、
世界で唯一の“ペニス博物館”が存在する町。
館長はシッギことシグルズル・ヒャールタルソン。
中学校時代に友人から牛のペニスをもらったことをきっかけに、
さまざまな生物のペニス標本を集めるように。
40年にわたって収集されたペニス・コレクション。
1997年、「博物館をつくるべき」という妻の助言により、
シッギは自身のコレクションを公開すべく、首都レイキャヴィクに博物館を開館。
2004年にフーサヴィークに移転し、ペニスのホルマリン漬け標本のほか、
ペニスに関係のあるものを展示しています。
大小さまざまな生物のペニスを網羅している博物館ですが、
ひとつだけ欠けているものがありました。それは、ヒトのペニス。
自分の死後、ドナー登録して臓器を提供する人はいるけれど、
前もってペニスを提供しようと決めている人などいません。
死体から許可なくペニスを切り取ることは許されないし、
快く提供してくれる遺族だってもちろんいない。
土葬の国で棺桶を開けてみればペニスがないなどというのは笑われるというわけで。
しかし、ヒトのペニスが欠けたままではコレクションが未完成なのです。
悩むシッギの前に、ほぼ時を同じくして2名の男性が名乗りを上げます。
ひとりはアイスランドの著名な冒険家で、300人以上の女性と寝たと胸を張るパゥットル・アラソン。
90歳を超えている彼は、まだまだ元気であるというものの、きっとお迎え間近。
自分が死んだら喜んでペニスを提供するよとシッギに言います。
もうひとりはアメリカからわざわざ連絡を寄越したカウボーイ、トム・ミッチェル。
パゥットルに少しだけ後れを取ったトムは、
何が何でも自分が初のペニス提供者になりたいと、躍起になります。
本作はこんなペニス・コレクション完成までの道のりを追ったもの。
観てみたいと思ったのは職業柄。
博物館の収蔵庫には、日の目を見ないであろう標本資料が何万点とあります。
ペニス関連の標本資料もおそらくそのうちのひとつ。
博物館に搬入された資料は、購入した場合は適正な価格でやりとりされたかどうか、
寄付された場合もいったいいかほどの価値があるのかを見る評価委員会にかけます。
たとえば奉納物に多く見られるペニスをかたどった標本資料。
委員会開催の準備をする私たちは、それらをどのように並べるか悩んだものです。
「立てておく?寝かせておく?」なんて。
評価委員の方々が「う~ん、1万円」「3千円」などと言いながら、
ずらり並んだそれらに値段を付けてゆく姿も楽しいものでした。
評価委員会が済めば、今度は標本番号を書くときにも悩みます。
片手にそれを握りしめ、もう片方の手に筆を持って「どこに書いたらええやろ」と。
今はその部署から離れたので、ペニス関連の標本を見ることはそうそうありません。
そんな仕事をしていた頃が懐かしく。
法定のペニスの長さというのがあるというのは初耳で笑いました。
12.7cm以下だとそれと認められないなんてアンマリですよね(笑)。
ペニスをめぐる真面目な騒ぎが楽しいドキュメンタリーでした。
監督:ジョナ・ベッカー,ザック・マス
箕面で『ジュラシック・ワールド』を観て、美容院へ行って、
その後わざわざ梅田へ出たのは本作を観るため。
『野火』と『Mr.タスク』でちがう種類の「愕然」を感じ、
シネ・リーブル梅田で21:05から、レイトショーのみの上映の本作を待ちました。
この時間に私が梅田で映画を観ることはそうそうなくて、
ほかの作品にどれくらい客が入るのか想像もつきませんが、
本作の客の入りは『劇場版 BiSキャノンボール 2014』には負けるけどそこそこかと。
2012年のカナダのドキュメンタリー作品。
入場者には熱海秘宝館の入館割引券付きリーフレットが配布されています。
アイスランド北部の小さな港町フーサヴィークは、
世界で唯一の“ペニス博物館”が存在する町。
館長はシッギことシグルズル・ヒャールタルソン。
中学校時代に友人から牛のペニスをもらったことをきっかけに、
さまざまな生物のペニス標本を集めるように。
40年にわたって収集されたペニス・コレクション。
1997年、「博物館をつくるべき」という妻の助言により、
シッギは自身のコレクションを公開すべく、首都レイキャヴィクに博物館を開館。
2004年にフーサヴィークに移転し、ペニスのホルマリン漬け標本のほか、
ペニスに関係のあるものを展示しています。
大小さまざまな生物のペニスを網羅している博物館ですが、
ひとつだけ欠けているものがありました。それは、ヒトのペニス。
自分の死後、ドナー登録して臓器を提供する人はいるけれど、
前もってペニスを提供しようと決めている人などいません。
死体から許可なくペニスを切り取ることは許されないし、
快く提供してくれる遺族だってもちろんいない。
土葬の国で棺桶を開けてみればペニスがないなどというのは笑われるというわけで。
しかし、ヒトのペニスが欠けたままではコレクションが未完成なのです。
悩むシッギの前に、ほぼ時を同じくして2名の男性が名乗りを上げます。
ひとりはアイスランドの著名な冒険家で、300人以上の女性と寝たと胸を張るパゥットル・アラソン。
90歳を超えている彼は、まだまだ元気であるというものの、きっとお迎え間近。
自分が死んだら喜んでペニスを提供するよとシッギに言います。
もうひとりはアメリカからわざわざ連絡を寄越したカウボーイ、トム・ミッチェル。
パゥットルに少しだけ後れを取ったトムは、
何が何でも自分が初のペニス提供者になりたいと、躍起になります。
本作はこんなペニス・コレクション完成までの道のりを追ったもの。
観てみたいと思ったのは職業柄。
博物館の収蔵庫には、日の目を見ないであろう標本資料が何万点とあります。
ペニス関連の標本資料もおそらくそのうちのひとつ。
博物館に搬入された資料は、購入した場合は適正な価格でやりとりされたかどうか、
寄付された場合もいったいいかほどの価値があるのかを見る評価委員会にかけます。
たとえば奉納物に多く見られるペニスをかたどった標本資料。
委員会開催の準備をする私たちは、それらをどのように並べるか悩んだものです。
「立てておく?寝かせておく?」なんて。
評価委員の方々が「う~ん、1万円」「3千円」などと言いながら、
ずらり並んだそれらに値段を付けてゆく姿も楽しいものでした。
評価委員会が済めば、今度は標本番号を書くときにも悩みます。
片手にそれを握りしめ、もう片方の手に筆を持って「どこに書いたらええやろ」と。
今はその部署から離れたので、ペニス関連の標本を見ることはそうそうありません。
そんな仕事をしていた頃が懐かしく。
法定のペニスの長さというのがあるというのは初耳で笑いました。
12.7cm以下だとそれと認められないなんてアンマリですよね(笑)。
ペニスをめぐる真面目な騒ぎが楽しいドキュメンタリーでした。