『すずめの戸締まり』
監督:新海誠
声の出演:原菜乃華,松村北斗,深津絵里,染谷将太,伊藤沙莉,
花瀬琴音,花澤香菜, 神木隆之介,松本白鸚他
公開初日にイオンシネマ茨木にて。
なんですかね、この上映回数は。
上映スケジュールでこれほどまで何段にも渡っている作品は『名探偵コナン 緋色の弾丸』以来か。
さすがに超話題作とあって結構な客の入りだけど、『鬼滅の刃』ほどではない。
鳴り物入りです。
しかしまぁ、世間が盛り上がれば盛り上がるほど冷める気質が私にはあります。
だったら私の『トップガン マーヴェリック』と『RRR』の盛り上がりようは何なのか。
たぶん新海監督とプロデューサー・川村元気へのやっかみですね(笑)。
宮崎県ののどかな町に暮らす女子高生・すずめ。
幼い頃に親を亡くし、叔母・環と二人暮らし。
ある日の登校途中、すずめはこの町の者ではないとおぼしき青年・草太と出会う。
そのイケメンぶりに心惹かれて思わず振り返ると、「この辺に廃墟はないか」と尋ねられる。
向こうに見える山を指さし、廃墟があることを教えたすずめだったが、
学校に着いてからふと気になり、その廃墟に向かって駆け出す。
草太を探して周囲を歩き回っていると、水たまりの中に1枚の扉があった。
好奇心から開けてみると、不思議な光景が広がる。
そこにあった石を持ち上げると、なんとそれが生きた猫に変身、走り去ってゆく。
その後やってきた草太は、災いを呼ぶという扉を閉めようと必死。
それを手伝ったすずめは、草太が「閉じ師」であり、
日本各地の廃墟に存在する扉を閉めて回る旅をしていることを知り……。
『君の名は。』にも『天気の子』にも没入できなかった私としては、
本作の設定はいつになく面白いと思いました。何より睡魔に襲われませんでしたから。
ただ、震災を絡めた話が映画でも本でもあまり好きではありません。
もちろん、決して忘れてはならないことだし、震災を背景にした作品がある限り、
そのたびに私たちは思い出すわけですから、大事な役目があるとも思っています。
特大の鳴り物入りの監督とプロデューサーへのやっかみと、
震災を絡めていることとが合わさって、私を素直にさせません。(^^;
ま、おもしろかったけど、ふーん、みたいな感想に終わらせてしまう。
毎度毎度言う、切なさも今ひとつ感じられなかったのも、「ふーん」に終わる要因のひとつです。
本作でいちばん切なかったのは、序盤は悪者にしか見えなかったダイジン=猫が、
実はいちばんの重荷を背負って自らの役割を果たそうとしていたことでしょうかね。
で、結局、やっぱり昔の新海作品のほうが好きだなぁと思うのでした。
そういえば、震災を背景にした作品で、すっごくよかったと思えた作品ってあったっけなぁ。