夜な夜なシネマ

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『カンダハル 突破せよ』

2023年11月12日 | 映画(か行)
『カンダハル 突破せよ』(原題:Kandahar)
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー,ナヴィド・ネガーバン,アリ・ファザール,バハドル・フォラディ,バシリス・コウカラニ,
   ニーナ・トゥーサント=ホワイト,コーリイ・ジョンソン,トム・リース・ハリーズ,トラヴィス・フィメル他
 
なんばパークスシネマにて、2本ハシゴの2本目。前述の『火の鳥 エデンの花』の後に。
 
この人の出演作を観ると、必ず書いてしまう「弁護士で俳優」のジェラルド・バトラー
リック・ローマン・ウォー監督とタッグを組むのは『エンド・オブ・ステイツ』(2019)、
『グリーンランド 地球最後の2日間』(2020)に続いて3作目になるそうです。
どうでもいいけどこの邦題、まるで『ハンターキラー 潜航せよ』(2018)みたいじゃあないか。(^^;
 
イランにて核開発阻止のために極秘潜入活動をおこなう工作員トム。
スイスの通信請負業者を装い、相棒のオリバーと共に地下に広がる原子炉の爆破に成功。
ところがこの爆破を計画したCIAから機密情報が漏洩。
実行犯であるトムとオリバーの正体と顔写真までニュースで流れ、命を狙われるはめに。
 
すでにその場を離れていたトムは無事だったが、オリバーはすぐに殺害されてしまった模様。
依頼を受けていた次の任務は中止となるが、とにかく直ちに逃げなければならない。
次の任務のために同行していた通訳の老人モーは、トムが何者かを知らされていなかったため、
原子炉を爆破したと聞いて、彼と一緒にいる自分も同様に追われる身となったことを理解する。
 
バレれば工作員は見捨てられる運命ではあるものの、
640キロ先のカンダハルまで辿りつくことができれば、CIAが用意した飛行機に搭乗させてもらえる。
モーを連れてなんとか逃げ切ろうとするのだが……。
 
シビアなテーマとはいえ娯楽作品ですから、難しいことは考えなくて許されそう。
でもいろいろとややこしいなぁ、あの辺りの国の事情や各国諜報機関のあれこれ。
 
そもそもジェラルド・バトラー演じるトムはCIAに所属しているのではなくてフリーランスっぽい。
フリーの工作員なんているのかどうか知りませんけど、
のちのちの台詞には「MI6から借りている」とありましたから、MI6の人なのかしら。
 
狙うほうもいろんな国のいろんな組織がいるんですよね。
イラン精鋭集団コッズ部隊、パキスタン軍統合情報局、イスラム過激派組織ISISなどなど。
ISISのふりをしたアフガニスタンの傭兵軍団とか。あ、間違っていたらすみません。
 
こういうのって、主人公の味方のはずが黒幕だったという展開が多いから、
トムに仕事を依頼するローマンなんて怪しそうだと思っていたら、めちゃめちゃいい奴じゃないですか。
ジョン・マルコヴィッチにちょっと似ていませんか、ローマン役のトラヴィス・フィメル
トムとモーを助けるために身を挺する彼には泣かされました。
 
この世界では、寝返ることを繰り返す者が金を稼いでトップに立つ。
原子炉を爆破したところで、同じものがまた建てられるだけ。
楽しんで観ていると良心がしくしくと痛むようなエンターテインメント作品です。

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