夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『フェラーリ』

2024年07月17日 | 映画(は行)
『フェラーリ』(原題:Ferrari)
監督:マイケル・マン
出演:アダム・ドライヴァー,ペネロペ・クルス,シェイリーン・ウッドリー,サラ・ガドン,
   ガブリエウ・レオーニ,ジャック・オコンネル,パトリック・デンプシー他
 
イオンシネマ茨木にて2本ハシゴの2本目。
 
ご存じ、イタリアの自動車メーカー“フェラーリ”。
エンツォ・フェラーリが妻ラウラと共に会社を興してからの実話に基づく。
 
監督は御年81歳のマイケル・マン。
懐かしいのはやっぱりアル・パチーノロバート・デ・ニーロが共演した『ヒート』(1995)。
近年はお歳のせいか監督するよりもプロデュースに回ることのほうが多いようで、
『フォードvsフェラーリ』(2019)でもは製作総指揮を務めていました。
でもフェラーリ愛好家としては、これは監督したいと思ったのでしょうね。
 
エンツォ・フェラーリはレーシングドライバーとして活躍したのち、
1947年に妻ラウラと共にフェラーリ社を設立。
それから10年経過した1957年の夏、フェラーリ社は倒産の危機に見舞われる。
業績不振の理由は、エンツォがレースに金を突っ込みすぎるから。
その額はポルトガルの国費に匹敵するほどで、年間100台の車を売る程度ではどうにもならない。
 
私生活では1年前に息子のディーノが亡くなり、ラウラとの関係も冷える一方。
そのうえ、愛人のリナ・ラルディからはエンツォとの息子ピエロの認知を迫られていた。
リナのことは警察署長や銀行関係者を含め、皆が知っているが、ラウラだけが知らない。
 
他社は車を売るためにレースをするが、エンツォはレースをするために車を売りたい。
倒産の危機から脱却するには注目を集めて車を売るしかないと、
過酷な公道レースとして有名な“ミッレミリア”でなんとか勝利しようと考えるのだが……。
 
アダム・ドライヴァーの顔が苦手だとずっと思ってきましたし、今も苦手です。
ただ、演技はめちゃくちゃ上手いし、新旧大御所監督がこぞって起用したがるのがわかる。
そして、苦手な顔でも見続けているといい顔に見えてくるのですよね。
ちょっと色気まで感じて見えたりして。
いずれにせよ、今までは髪型も好きではなかったので、こっちのほうがマシかな(笑)。
 
本妻が愛人に何もかも持って行かれたかのような展開ですが、
ペネロペ・クルス演じるラウラの最後のシーンがカッコよすぎる。
妻というよりも同志。こういう人がいたからこそ、エンツォはこの局面を切り抜けられたのかなと。
 
ラウラが亡くなるまではフェラーリの名前は誰にも継がせない。
その約束を守った点は誠実だったと思います。

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『THE MOON』

2024年07月17日 | 映画(さ行)
『THE MOON』(原題:The Moon)
監督:キム・ヨンファ
出演:ソル・ギョング,ド・ギョンス,キム・ヒエ,パク・ビョンウン,チョ・ハンチョル,
   チェ・ビョンモ,ホン・スンヒ,キム・レウォン,イ・イギョン,イ・ソンミン他
 
イオンシネマ茨木にて、2本ハシゴの1本目。
 
有人ロケット月面探査ミッションに失敗して宇宙飛行士3人を失った韓国は、
国際組織の宇宙連合から追い出され、自国のみで研究開発を進めなければならなくなる。
5年後、今度こそ月面着陸を成功させるべく、新たに3人がウリ号に乗って宇宙へ。
 
ところが、月周回軌道への進入目前で太陽風の影響による通信トラブルが発生。
修理のために船外へと出たイ・サンウォンとチョ・ユンジョンが爆発に遭って吹き飛ばされ、
船内には新人宇宙飛行士ファン・ソヌのみが取り残されてしまう。
 
宇宙センターではソヌを生還させるべく策を練るがどうしようもなく、
5年前の事故当時にセンターのフライトディレクターを務めていたキム・ジェグクが呼び戻すことに。
ミッション失敗の責任を取って辞職したジェグクは、ソベク山の天文台でひっそりと暮らす身。
要請を即座に断ろうとするが、ソヌの父親がかつての同僚ファン・ギュテだと知る。
 
ギュテはミッション失敗後に自ら命を絶っていた。
その息子が父の志を継いだというのに、今はたったひとりで宇宙に放り出されたまま。
なんとか救いたい一心で、センターへと駆けつけるのだが……。
 
ちょっと『トップガン マーヴェリック』みたいなところがあります。
マーヴェリックとルースターの関係が、ジェグクとソヌの関係のような。
自分の父親が死んだのは父親の同僚のせいだと思うのはほぼ逆恨みに近い。
恨んでいる相手から結局は救われることになるのですが、
そこに至るまでは、おーい、そんな無茶するなよと言いたくなります(笑)。
 
とにかく、ジェグク役のソル・ギョングが渋い。上手い。内野聖陽に似ていませんか。
そしてソヌ役のド・ギョンス(=D.O.)がカワイイ。
また、亡くなる宇宙飛行士役でキム・レウォンイ・イギョンが特別出演しているのも嬉しい。
天文台のジェグクの部下ハンビョル役のホン・スンヒがまたキュート。
SNSを利用してジェグクとソヌを助けようとするところがイマ風。
 
NASAの統括ディレクターを務めるのがジェグクの元妻ユン・ムニョンという設定で、
彼女の役をキム・ヒエが演じています。
勝手な行動が目立つ韓国には協力しませんよと言いつつ、
最後はムニョンがクビを覚悟でジェグクと共にソヌを救おうと奔走します。
 
ありがちな話だとは思うけれど、キャストが良くてテンポも良い。
適度にイライラさせられつつ、たまには笑えるシーンもあって、最後はやっぱりジワーン。
インド映画も好きだけど、韓国映画もやっぱりいいなぁと再認識するのでした。

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