『駒田蒸留所へようこそ』
監督:吉原正行
声の出演:早見沙織,小野賢章,内田真礼,細谷佳正,辻親八,
鈴村健一,堀内賢雄,井上喜久子,中村悠一他
TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの1本目。
きっと原作はコミックで、TVアニメ化もされているシリーズなのだろうと思い込んでいました。
そうしたら、アニメ制作会社のP.A.WORKSが手がける“お仕事シリーズ”なるオリジナルアニメとのこと。
過去には北陸の温泉街を舞台にした『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』(2013)や
これらは予想どおりTVアニメシリーズの劇場版ですが、本作はそうではないらしい。
駒田蒸留所に生まれながら絵の才能に長けて美大に進学した長女の琉生(るい)は、
父親の死をきっかけに会社を畳もうとしていた母親を引き留め、大学を中退して実家に戻る。
兄で長男の圭は生前の父と喧嘩して家を飛び出し、今は桜盛酒造で働いている。
琉生が社長に就任して職人たちと共に完成させたウイスキーは世間で大評判となる。
長年の駒田蒸留所ファンが次に期待するのは、今はもう幻となったウイスキー“KOMA”の復活。
しかし父親の方針でKOMAはすべて世に送り出してしまったから、原酒が残っていない。
そんな駒田蒸留所に取材することになったのは、ニュースサイト記者の高橋光太郎。
まだ若いとはいうものの、今までの会社では長続きせず、すでにこれが5社目。
ウイスキーのことなんて何も知らないし興味もないのに、
編集長の安元広志から急に連載記事を書くように言われて大迷惑。
気乗りしないまま駒田蒸留所を訪れるのだが……。
アルコールなら何でも好きな私ですが、別に詳しくないし、特にウイスキーに関してはド素人。
本作がどれほどウイスキーづくりやウイスキーそのものを忠実に描いているかはわかりませんが、面白かった。
家族であっても方針が同じとは限らない。
実家に買収を持ちかける兄なんて、最初は嫌な人でしかなかったのに、
KOMAが「家族の酒」だという想いを持っていたことがわかってからは、実に頼りになる兄ちゃん。
駒田蒸留所の面々も良い人ばかりで泣けてくる。
そして、駒田の人のみならず、原酒を探していると知ったさまざまな会社が協力を申し出てくれるのも嬉しいこと。
こんなのを観たら、やっぱり飲みたくなりますよねぇ、ウイスキー。