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『九十歳。何がめでたい』

2024年07月02日 | 映画(か行)
『九十歳。何がめでたい』
監督:前田哲
出演:草笛光子,唐沢寿明,藤間爽子,片岡千之助,中島瑠菜,オダギリジョー,
   清水ミチコ,LiLiCo,宮野真守,石田ひかり,三谷幸喜,木村多江,真矢ミキ他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
同名のエッセイは6年以上前に読んでいます。そのときの感想はこちら
昨年百歳の誕生日をお迎えになった作家・佐藤愛子、今も健在。
そして彼女の役を演じた草笛光子も実際90歳。
本作は草笛光子の生誕90年を記念する作品でもあるそうです。
どうですか、この婆ちゃんパワー。凄すぎて驚く。
 
2014年、長編小説『晩鐘』を最後に断筆宣言をした90歳の佐藤愛子(草笛光子)。
のんびりとした生活を満喫するはずったのに、なんだか日々に張り合いがない。
口を開けば面倒くさいを連発し、同居する娘の響子(真矢ミキ)や孫の桃子(藤間爽子)も呆れ顔。
 
そんな愛子を訪ねてきたのがベテラン編集者の吉川真也(唐沢寿明)。
吉川は編集長を務めていた部署で部下からパワハラを訴えられる。
誰も引き取り手がなかったところ、後輩のよしみで倉田拓也(宮野真守)が自分の部署に吉川を迎え入れる。
 
パワハラで訴えられたというのに、異動先でもその態度はほぼ変わらず。
自分に否などないと思っていた吉川だが、家に帰ると妻の麻里子(木村多江)と娘の美優(中島瑠菜)がいない。
机の上には麻里子の記入済みの離婚届が置かれていて呆然。
 
麻里子に連絡を取ろうと必死になる一方で、
若い編集者が断られたというエッセイ連載の企画を携え、吉川は愛子のもとを訪れるのだが……。
 
はい、前田哲監督の作品は、私にとって微妙です。
たいてい無難に面白いけど、好きになれない作品もままあって。
でも年に何本も撮っていたりするから、避けては通れない監督なのです。
 
90歳になってなおパワフルで可愛らしいおばあちゃん、草笛光子には敬意を払います。
しかし、『九十歳。何がめでたい』を出版したら町ゆく誰もがその本を手にしている光景とか、
同書がベストセラーになると押しかけるメディアの様子とか、結構うざい。
こういう笑うに笑えない演出は好きになれません。
しかも、記者役の人たちみんな、笑うのが下手に見えてしゃあない。
記者会見会場の模様なんてドン引きです。
 
笑いの路線としては三谷幸喜風とも言えるけど(彼もタクシー運転手役で出演)、
ヨイショだらけなのは冷めちゃいます。
申し訳なくも言わせていただくと、予告編のほうが面白かった。
と、私は思うのですけれど、万人受けするでしょうねぇ。素直な人には薦めます。

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