『ランガスタラム』(原題:Rangasthalam)
監督:スクマール
出演:ラーム・チャラン,サマンタ・プラブー,アーディ・ピニシェッティ,
ジャガパティ・バーブ,プラカーシュ・ラージ,アナスヤ・バラドワージ他
なんばパークスシネマにて、前述の『K.G.F: CHAPTER 1』と『K.G.F: CHAPTER 2』に続いてこれ。
それより前に観た映画は『RRR』だったから、期せずしてボリウッド4本続けて観たことになります。
その『RRR』でラーマ役を演じて日本でもすっかりスターになったラーム・チャラン。
彼の2018年の主演作で、本国インドでは大ヒットしたそうですが、
日本では『RRR』のヒットがなければ劇場公開されることはなかったでしょう。
ラーム・チャランの人気を証明するかのように、ほぼ満席でした。
過去10年間に公開されたテルグ語作品のベスト25に入ると評価されたそうです。
インド南東部の田園地帯に位置する村ランガスタラム(架空の村)。
難聴の青年チッティ・バーブは、村人の依頼を受けて放水するのが仕事。
ある日、大好きな兄クマールが帰郷して、久しぶりに一緒に過ごす。
ランガスタラムは長年おなじ男が村長を務めている。
皆が彼のことを“プレジデント”と呼び、彼に刃向かうことは許されない。
村で金を借りるといつのまにか元金が倍になっていたりするが、
文句を言えばどんな目に遭わされるかわからず、誰もが泣き寝入り。
借金のかたに穀物どころか畑も没収されているというのに。
博識なクマールは、このままプレジデントの圧政を許していてはいけないと考え、
自分が対抗馬となって村長選挙に出馬すると決める。
チッティも全力で応援に乗り出し、クマールが勝つのは確実と思われたが、
かつての対抗馬がことごとく不審死を遂げていたように、クマールの身にも危険が忍び寄って……。
ポスターを見れば、わりと能天気に笑っているラーム・チャラン。
前半は物騒なシーンもあるものの、ボリウッドらしく踊りもある。
チッティが一目惚れしたラーマラクシュミとの恋模様も可笑しくて、なかなか笑えます。
チッティの仲良しのおばさんが夫の写真を見せるシーンにもニヤリ。
「チランジーヴィに似てるの」ってね。チランジーヴィはラーム・チャランの実父ですから。
ところが、話が進むにつれてどんどん深刻になり、暗くなる。
プレジデントの極悪非道さと言ったら、なぜ皆が糾弾しないのか不思議。
彼の取り巻きにも反吐が出る。こいつら全員死ね〜と思う(笑)。
真相が恐ろしすぎて、唖然としました。こんなオチが待っているとは。
堂々のサスペンスミステリーです。
難聴のチッティが阿呆のように描かれているのがどうかと思っていましたが、
このラストを見れば、とんでもなく賢いじゃあないか。
インドって、いったいどういう国なんですか。性悪のお役人が多すぎて怖くなった。
どこの国でもこんなもんなのでしょうか。でも殺しに行ってバレないわけはないですよね!?