『グッド・ネイバー』(原題:The Good Neighbor)
監督:カスラ・ファラハニ
出演:ジェームズ・カーン,ローガン・ミラー,キーア・ギルクリスト,ローラ・イネス,
アン・デュデック,ミンティ・スターリング,タムリン・トミタ,リリ・ラインハート他
2016年のアメリカ作品。日本では劇場未公開。
Amazonプライム会員なら無料で観られます。
ヤバいジジイ役をジェームズ・カーンが演じているということで興味を引かれて。
高校生のイーサンとショーンは、ある実験を思いつく。
無防備な人間に霊の存在を信じ込ませることができるかどうか。
実験期間は6週間。その間、被験者に直接攻撃はしない。
機械を通してのみ悪戯を仕掛け、物理的な被害は与えないようにする。
脚本や編集はせず、事実だけを記録し、客観性を重視する。
そんなルールを自分たちに課し、実験開始に備える。
被験者は向かいに住む老人ハロルド。見るからに気難しそうな爺さん。
この爺さんがポスターガイストに遭遇したらどんな反応を見せるか。
ハロルドの外出時に忍び込み、いろいろな仕掛けを施すふたり。
また、ハロルドが慌てふためく様子を見るため、隠しカメラも数カ所に設置する。
ふたりは仕掛けを発動させ、ポルターガイストもどきを起こす。
女友だちを呼んで見世物を楽しむつもりが、ハロルドの反応は肩すかし。
どうやらハロルドは夜になると地下室に降りているらしい。
地下室には隠しカメラを設置していないから、彼の姿が見られない。
好奇心を抑えきれず、イーサンは地下室へと侵入したいと思うのだが……。
若者が老人をナメてかかって悲惨な目に遭う。
恐ろしさの点でその最高峰かどうかは知らんけど、1本挙げるなら『ドント・ブリーズ』 (2016)。
その『ドント・ブリーズ』は盗み目的で老人宅に押し入って返り討ちに遭う話でしたが、
こちらは実験という名の下、爺さんをビビらせようという悪趣味の極み。
とはいうものの設定は面白いはずで、
同情するに値しない若者たちが逆に死ぬほど怖い思いをすればええねんと思っていました。
なのに、ちっとも怖くならない。なぜだ~!
そもそも地下室へ侵入するかしないかでイーサンとショーンの押し問答が続き、
侵入を果たすのはずいぶん後なんです。だから、返り討ちに遭いようもない(笑)。
ドキュメンタリー風に作ろうとしているのに緊迫感なし。
死闘は起こらず、ただただ若者たちが老人を見ているのみ。
法廷のシーンが間に挟まれ、何かが起きたことが示されますが、
何が起きたかわかるのは最後の最後。引っ張る引っ張る。
ジェームズ・カーンの無駄遣いだと思ったけれど、
意外にも切ないオチが待っていました。
え~っ、こんなんホンマにタイトルどおりの「良き隣人」やん。
だけどそんなエンディングに至るまでのノリが軽薄すぎる。
そして重厚な雰囲気で終わるのかと思いきや、イーサンの意味深な笑顔。感じ悪っ!
ネタバレすみません。(^^;