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『スリープ』

2024年09月06日 | 映画(さ行)
『スリープ』(英題:Sleep)
監督:ユ・ジェソン
出演:チョン・ユミ,イ・ソンギュン,キム・クムスン,キム・グクヒ,イ・ギョンジン,ユン・ギョンホ他
 
シネマート心斎橋で観逃して残念に思っていたところ、塚口サンサン劇場が持ってきてくれました。
 
監督は本作が長編デビューとなるユ・ジェソン。
辛くてたまらないのはイ・ソンギュンが昨年暮れに自ら命を断ってしまったこと。
麻薬の不法投薬を疑われて取り調べを受けていたそうで、
もしも本作を地で行く睡眠障害ゆえの麻薬使用だったのだとしたら、これほど悲しいことはない。
共演したチョン・ユミもどんな気持ちだろうと思わずにはいられません。
 
スジン(チョン・ユミ)とヒョンス(イ・ソンギュン)は新婚夫婦。
ヒョンスは今はまだ売れているとは言えない役者だが、いつか大役を掴む日を夢見てスジンが支え、
出産をひかえてお腹が大きくなった今も仕事を続けている。
 
ある晩、寝息を立てていたヒョンスが自分の顔を掻きはじめる。
翌朝、血だらけになっているヒョンスの頬を見てスジンはびっくり。
その顔のせいでせっかくもらった仕事がキャンセルになってしまう。
 
ふたり一緒なら何でも克服できると信じるスジンはヒョンスを励ますが、
この日を境に睡眠中のヒョンスの行動があきらかにおかしくなる。
夜中に冷蔵庫を開けて生肉をむさぼり食っていたり、窓から飛び降りようとしたり。
病院に行くと睡眠障害だと言われ、薬を処方されるがなかなか効き目が出ず……。
 
夢遊病患者が起こした事件の記事を読みあさるスジン。
本人の意識なく家族を殺したニュースなんて知ったら怖くてたまらないですよね。
かわいがっていたポメラニアンをヒョンスに殺されても、
ヒョンスは病気だから悪くないと責めようとしないけれど、
出産を終えて自分の娘がこの世に生まれると、娘のことが心配になります。
犬を殺したように、娘も殺そうとするかもしれないわけですから。
 
スジンの母親は巫女を呼んできて、お祓いが必要だと言う。
そんなアホなと思っていたら、ホントにヒョンスが憑依されているという話に。
しかもヒョンスに取り憑いているのは、階下に住んでいたジジイだし。
 
そのうちスジンのほうがおかしくなって、ヒョンスを殺しかける。
精神病院に送られるのも当然なところ、実はスジンの言うことが正しくて。
 
イ・ソンギュンが亡くなっていることがわかっているせいか、相当怖い。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』よりずっとドキドキハラハラしました。
憑依って実際にあるのでしょうか。
今はイ・ソンギュンが安らかに眠っていることを祈るだけ。

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