『パリのどこかで、あなたと』(原題:Deux Moi)
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:フランソワ・シヴィル,アナ・ジラルド,カミーユ・コッタン,フランソワ・ベルレアン,
シモン・アブカリアン,アイ・アイダラ,レベッカ・マルデール,ピエール・ニネ他
前日に続いてこの日もシネ・リーブル梅田へ。
なんだか好きなんですよね、セドリック・クラピッシュ監督の作品。
クラピッシュ監督作品の常連だったロマン・デュリスがハリウッドに進出。
代わって起用されるようになったのはフランソワ・シヴィル。
『おかえり、ブルゴーニュへ』(2017)に続いての主演です。
ロマン・デュリスとフランソワ・シヴィルは雰囲気が似ているような。
パリの隣り合うアパートメント。
お互いの存在など知らずに暮らしているレミー(♂)とメラニー(♀)は、
どちらもひとり暮らしで家族を避けている。
大手通販会社の倉庫で働くレミー、癌治療の研究者であるメラニーは、
共に多大なストレスを抱えて睡眠障害に陥っている。
ふたりともこれまた異なる精神科医のセラピーを受けはじめるのだが……。
隣り合うアパートメントの隣り合う部屋に暮らし、
同じ街を歩き、同じ電車に乗り、同じ食料品店で買い物をしていても、
ふたりがお互いの存在に気づくことはありません。
この設定はそう珍しくもない。なのにウキウキするのはなぜでしょう。
一見軽いコメディかと思いきや、ストレスの原因がわかるとき、
そうか、そんなに簡単なものじゃなかったんだなぁとガツン。
特にレミーが家族のもとで居心地の悪さを感じる理由。
つらいことに蓋をしていては前に進めないのかもしれません。
人とコミュニケーションを取るのはたやすいことではない。
でも気を張らずに同じ空気を吸えたら、それが運命の人。
食料品店のオヤジのことがいたく気に入りました。
こんなお店があるなら通いたい。