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『バーン・クルア 凶愛の家』

2024年12月08日 | 映画(は行)
『バーン・クルア 凶愛の家』(英題:Home for Rent)
監督:ソーポン・サクダピシット
出演:ニッター・ジラヤンユン,スコラワット・カナロス,ペンパック・シリクン,ナムフォン・パクディー他
 
数カ月前にチラシを目にしてからめっちゃ気になっていました。イオンシネマ茨木にて。
 
タイで大ヒットしたというホラー作品。
絶対覚えられそうにない名前の監督ソーポン・サクダピシットはホラーを中心に活躍している人だそう。
同じく俳優の名前も絶対おぼえられそうにありません。
主演女優の名前はニッター・ジラヤンユンって、無理無理。日本語にはない綴りは難しい。
眉が若干ボーボーなのが気になるけれど(って私が言うな(^^;)、美人さんです。
 
保険外交員の女性ニンは、夫クウィンと一人娘インとバンコク郊外の一軒家で暮らしている。
ある日、ニンが独身時代に購入して賃貸に出していたマンションの一室について、不動産屋のトムから連絡がある。
トムによれば、借主が賃貸契約満了により部屋を出たが、修復不可能なほど汚して退出したらしい。
ニンが行ってみると、窓ガラスやテレビは叩き割られ、壁紙は切り裂かれて絨毯はびしょびしょ、ゴミも散乱。
借主はすでに海外に渡っており、弁償を求めるのは無理だと言う。
 
トムは、とりあえずこの部屋のほうを住める程度に改修して一軒家のほうを賃貸に出せばどうかと提案。
幸い、素性の確かな女医母娘が一軒家に興味を示しており、貸し出せば定収入が見込めますよと。
クウィンは他人に家を貸すことを嫌がるが、ニンが説き伏せてとりあえずは女医ラトリーとその娘ヌッチに内覧することに。
 
内覧当日、再就職の面接のために出かけていたニンのもとへクウィンから電話があり、
やはりこの家は誰にも貸したくないから断ってほしいと言う。
慌てて家に帰ると、そこにはすでにトムの案内でラトリー母娘が来ていた。
「いつから借りられるか」と問われ、ニンが詫びて断ろうとすると、クウィンが「来月から」と答えるではないか。
どういう気持ちの変化なのかわからないが、クウィンが承諾してくれたのは嬉しい。
マンションに引っ越したことでインの通学も楽になってありがたい。
 
ところが、引っ越してからというものインの寝つきが悪く、クウィンの様子もおかしい。
クウィンはラトリーから貰ったという本をリュックの中にしまい込み、ご丁寧に鍵までかけている。
毎日まだ夜も明けぬ時間にアラームをセットして出かけているようで、
不審に思ったニンがこっそり後をつけてみると、屋上に座り込むクウィンの姿があり……。
 
めちゃめちゃオカルト。怖い。けれど本国で大ヒットするだけあって凄く面白かった。
 
ラトリーは霊感の持ち主で、怪しげなカルト教団の教祖のような存在。
亡くなった人を呼ぶ力を持っています。
クウィンはラトリーに魔術でもかけられて変になっちゃったのかと思ったら、ラトリーを信じてしまう理由がある。
インもまた霊力を持っていて、そのせいである目的を遂行しようとしているラトリーに目をつけられます。
 
マンションの部屋の荒れぶりは何だったのかという疑問もちゃんと回収され、伏線が次々と明らかになっていくのも◯。
しかしカルト教団って怖い。その人もそうだって一見わかりませんもんね。
 
同じくタイの大ヒットホラー『女神の継承』(2023)のようにバッドエンドということもなくて、
子どもを亡くした親、親と離ればなれになった子どもの切なさも感じられる良質ホラーです。
エンディングシーンには胸を鷲掴みにされました。
 
あなたの中で生きている。

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