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『ポップスター』

2020年06月10日 | 映画(は行)
『ポップスター』(原題:Vox Lux)
監督:ブラディ・コーベット
出演:ナタリー・ポートマン,ジュード・ロウ,ステイシー・マーティン,
   ジェニファー・イーリー,ラフィー・キャシディ他
 
TOHOシネマズ西宮にて、3本ハシゴの2本目。
 
劇場の営業が再開されてからも、上映されるのは旧作や準新作ばかりでした。
それはそれで名作をスクリーンで観る機会となってよかったのですが、
やっぱり最新作も早くかかってほしいがな。
6月の1週目からぼちぼち最新作が公開されて嬉しい。
で、最新作を片っ端から観ることに。
 
ナタリー・ポートマンは優等生すぎる印象があって、
別に嫌いじゃないけれど、特に好きでもありません。
本作を選んだのは、最新作を片っ端から観るに当たり、
時間的にちょうどよかっただけのこと。
そして家のもっと近くの劇場では上映されていないから、
休日に潰しておこうと思っただけのことです。
 
それゆえ、あらすじなどをまったく知らず、
彼女が落ち目の歌手を演じているのかなと想像していたら、
冒頭に銃乱射事件が出てきて驚いた。想像と違いすぎる幕開け。
 
14歳の少女セレステが通う学校で、同級生が銃を乱射。
教師と多数の生徒が亡くなり、セレステは一命を取り留めたものの、
脊髄に損傷を負い、銃弾は体の中に残されたまま。
 
当日たまたま学校を休んでいた姉エリーは妹の怪我に責任を感じ、
片時もセレステから離れようとしない。
教会でおこなわれた追悼式では、姉妹で作った曲を披露。
エリーがピアノを弾き、セレステが歌う。
その曲が人々の心を揺さぶり、セレステはスターとなる
 
それから17年経った2017年。
31歳になったセレステはさまざまなトラブルを抱えてスターダムから転落。
しかし歌うことをやめようとは考えず、
キャリアの集大成となるアルバムをひっさげてツアーを開始する。
 
原題の“Vox Lux”はラテン語で「光の声」を意味するそうで、
これがセレステの復活をかけたツアーの名前でもあります。
 
歌手になるのはもともとは姉エリーの夢でした。
悲劇のヒロインになった妹セレステがそれを替わって叶えてしまった。
舞い上がるセレステは自身がまだまだ子どもだったのに、
ナンパされて一晩を共に過ごしたバンドのメンバーとの間に子どもができる。
その面倒をすべてエリーに見させておいて、姉に甘えまくりの言いたい放題。
 
目の前で銃が乱射され、人がバタバタと死んでゆく。
私には事件の被害者の気持ちを考えてみることはできても、
彼ら彼女らの気持ちがわかるなんてことは言えません。
凄く凄くつらかったろうと思うけれど、だからってこのセレステの態度は不愉快。
 
と、こちらが不愉快になるほど不安定なセレステの気持ちを
ナタリー・ポートマンは上手く表していると思います。
優等生すぎる彼女が悪態つく女を演じても、やっぱり優等生。でもしっかり演技派。
 
あんな事件だったからこそ、ポップな曲を歌う、踊る。
ちょっとわかる気がします。
 
マネージャー役のジュード・ロウは以前より明らかに髪が増えていると思う。
気のせいじゃないですよね!?

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