『ミドリムシの姫』
監督:真田幹也
出演:河井青葉,大高洋夫,青野竜平,三田村賢二,樋渡真司,岡田正,
ほりかわひろき,鈴木歩己,大草理乙子,今村美乃,仁科貴,金田賢一他
1本だけ映画を観られそうな時間ができた日。
キタやミナミの劇場の上映スケジュールをいくらめくっても、観たい作品と時間が合わない。
ならば十三はどうだろうと開いてみたら、ノーマークだったけどこれなら行ける。
シアターセブンにおじゃましました。たまたま公開初日で舞台挨拶付きの会。
前作があるそうです。『ミドリムシの夢』(2019)は現在Amazonプライムビデオで視聴可能。
突然十三へ行くことに決めたので、その存在も知らず未見ですみません。
ミドリムシとは何なのか。
大阪市内でもよく見かけるあの駐車監視員の人たちを揶揄してこう呼ぶらしい。
前作ではおじさん駐車監視員2人を主人公にしていたそうですが、
この第2弾では訳あって駐車監視員になった女性をが主人公。
幼少期の夢は「お姫様」になることだった野上幸子(河井青葉)。
駐車監視員になって数週間経つが、駐車違反のシールを貼られて憤る運転手にどやされたり、
蔑むような態度を取られたりして、一向にこの仕事に自信を持てない。
そんなとき、ベテランで成績もダントツの知念道夫(大高洋夫)とコンビを組むことに。
とっつきにくくて変わっているという評判の知念だったが、
何を言われようが毅然とした態度で臨む彼に幸子は尊敬の念を抱く。
「どうやったら駐車監視員になれるのか」と突然聞いてきた青年トミーもやがて仲間入り。
プライドを持つところまでは行かずとも、この仕事に楽しさを感じはじめた幸子。
ところが街で駐車監視員を追いかけまわして動画を撮る若者たちが現れる。
その行為は“ミドリムシ狩り”として話題になり……。
駐車監視員に確かに良い印象はありませんが、
若者たちの人でなしぶりは本気でハラワタ煮えくり返りそう。てめぇら、鬼畜。
幸子と知念が拉致されて、ほかの監視員たちが助けに来る展開は見え見えですが、
そのほうがいい話であることは明らかだし、応援しながら観ることができました。
上映終了後の監督の話で「へーっ」と思ったのは、駐車監視員というのは「みなし公務員」だから、
職務に関するあれこれを喋ってはいけないのだそうです。
だから、彼ら彼女らがどこへ出勤してどんなふうに仕事するのかは想像の域を出ない。
本作に登場するような事務所があるのかどうか定かではないし、
もしかすると警察署の一角にこんな部屋があるのかもしれず。
少しぐらい停めててもええやん。駐車場代高いし。
5分と停めてないのに切符切るって。思います、とても。
でも、車をそこに停めていたせいで死角ができ、誰かの命が奪われたら。
確かに、事故が起きてからでは遅い。
「どうやったらもっとお客さんを呼べるでしょうか」。切実です(笑)。
シネコンでの上映は無理だとしても、十三にはまたぜひお越しくださいませ。待ってます。